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【レビュー】時をかけるゆとり:朝井リョウ

 

 時をかけるゆとり:朝井リョウ著のレビューです。

時をかけるゆとり (文春文庫)

時をかけるゆとり (文春文庫)

 

 

何度声出して笑ったことか。何度「馬鹿だなぁ」と思わせてくれたことか。

 

「風と共にゆとりぬが、あまりに面白かったので、そのひとつ前に出されているエッセイもいつか読まなければと。でも、それは思い切り笑いたい気分の時が良いなぁー。

 

笑いを求めるエッセイは三浦しをんさん、そして、朝井リョウ君(「さん」というより、「君」です(笑))に決めている私。ただし、朝井リョウ君はその地位をたった一冊でのぼり詰めたのだから大したものだ。

 

さて、前回よりさらに若き日の朝井リョウはどんな学生生活をしていたのか?さっそく覗いていみた。

 

うん、やはりと言うか、全く期待を裏切らない面白さ。そして、大学生活というだけに、その活動範囲も広く、「青春」っていいな....って思わずホロリとさせられたのも事実。朝井リョウのエッセイでホロリとしている自分がなんだか恥ずかしいけど、「なに馬鹿やってるの。」って言うのものがまさに学生で、ちょっと嬉しかった。

 

自分の想像していた今の大学生はもっとスマートな生活をしているのかと思っていたけど、自分たちの時代とさほどかけ離れている感じもなく、好奇心剥き出しに活動している模様が窺えた。分からないことはササっとWikipediaなんかで調べるあたりは、もちろん自分たちの時代にはなかったことで全然違うんですけどね。

 

  

 

本書で一番楽しかったのは「地獄の500キロバイク」です。京都まで自転車で行くという旅行の話。過酷だけどこういう経験は気力・体力・時間がある学生にしかできない旅。概ね彼特有の笑いの渦に巻き込まれてしまうのだけれども、その中にちょこちょこと貴重な体験をしている様子が窺える。特に人との関りの中で得られたものは大きいんじゃないかな。この一編は本当に「青春って、青春って、本当にいいな」って思わされてしまった。はぁ、私は随分遠くへ来たものだとも(笑)

 

いやもう、ほんと何度声出して笑ったことか。そして、何度「馬鹿だなぁ」と思わせてくれたことか。ピンク映画観に行ったり、スマートフォンに振り回されたり、他学部の授業を受けていたり、リア脱出ゲームで絶望したり・・・・。もうなんだか毎日なにかしらやらかしているんじゃないの?ってな感じがね青春だーね。

 

そんな生活をしながら、ちゃっかり直木賞を受賞しちゃう朝井リョウ、恐るべし。しかし、こういうことにテレがあるのか、「解説」を書かれている方もおっしゃっているが、「いい話になると、自分でツッコミをいれてしまう」のだ。

 

直木賞をとい大きな賞を受賞した時に書かれたエッセイにも思い切りツッコミを入れている。こういうところが、彼の持ち味であり、魅力でもあるんだなぁと。

 

そして後のエッセイ「肛門記」の前兆となりうる「痔」の話も包み隠さず話してしまう直木賞受賞作家。なかなかのものである。

 

ということで、小説を一冊も読まずにエッセイを続けて2冊。そろそろ小説も読んだ方がいいのか?......小説も読もうよ(笑)

 

そうそう、朝井さん、いつの間にかご結婚されたそうで。やぁ・・・時間はびゅんびゅん過ぎているんですねぇ。ゆとり世代がもう結婚する時代なのかと、またまたしみじみ。