東京MXTVの5時に夢中!で紹介された本や映画を紹介します。
新潮社の中瀬ゆかりさんが番組内のコーナーで、月に1度、3本ほど紹介しています。
以下は、おおまかなあらすじと、中瀬親方が話していたことを簡潔にまとめたものを掲載しています。
さて、親方はどんな本を紹介してくれるでしょう。早速見て行きましょう!
【関脇】漫画:青にふれる:鈴木望
■内容
生まれつき顔に太田母斑(おおたぼはん)と呼ばれる青いアザを持つ女子高生・青山瑠璃子。アザのことを気にしすぎないよう、周りにも気を使われないよう生きてきた。
新たな担任教師の神田と出会った瑠璃子だが、ある日神田の手帳を目にしてしまう。クラスメイトの手帳がびっしりと書き込まれているのに、自分だけ空欄なことに気づいた瑠璃子は神田を問い詰めに行く。しかし、神田は“相貌失認(そうぼうしつにん)”という人の顔を判別できない症状を患っており――。━Amazonより
中瀬さん:
現2巻までの状況で、いろいろな人間模様が広がって行くんですけれども、悩みを持つ二人を本当に丁寧に掬い取って描いている。この先二人がどうなって行くのか?非常に興味を持って読み進めています。
【大関】映画:滑走路
映画『滑走路』公式サイト 2020年11月20日(金)全国公開
■内容
32歳の若さで命を絶った歌人、萩原愼一郎の歌集が原作。いじめ、非正規雇用などの逆境を経て世に放った魂の叫びを映画化。
中瀬さん:
3つの物語がそれぞれタぺストリーのようになっていて、最後にひとつが見えて来るんですけれども、その時に訪れる驚愕と、感動と、あと人生って言うのはどういう風に生きてたって色々辛いんだけれども、自分の人生、他者の人生について考える、そういった作品です。今社会で悩んでいる人たちのテーマがこの中にいっぱい詰まっている。
私、原作となっている歌集も読ませていただいたんですけれども、非常に素晴らしい歌集で、こちらの方も、是非おすすめしたいと思っています。映画を観てからその歌集を見ると、この物語はオリジナルで作られているんですけれども、どうやって作られていったかっていう...細かいところにも、どの歌が好きとかも含めて、気持ちが入って行く。
決して派手な映画ではないんですけども、じわ~~っと、観終わたあとに心に広がるものがある、そういった映画です。
【横綱】小説:湖の女たち:吉田修一
■内容
『悪人』『怒り』を超える愛の衝撃! 吉田修一史上「最悪の罪」と対峙せよ。琵琶湖近くの介護療養施設で、百歳の男が殺された。捜査で出会った男と女―謎が広がり深まる中、刑事と容疑者だった二人は、離れられなくなっていく。一方、事件を取材する記者は、死亡した男の過去に興味を抱き旧満州を訪ねるが……。昭和から令和へ、日本人が心の底に堆積させた「原罪」を炙りだす、慟哭の長編ミステリ。━━Amazonより
中瀬さん:
私も大好きな作家。吉田さんがまたやってくれたという作品です。
(ここであらすじ紹介)
中瀬さん:
もちろんミステリとしても素晴らしく優れているんですけれども、エロティックな恋愛についても、非常に何て言うかな、、魂を吸い取られていくぐらいのものがあって、これまでの吉田さんの作品だったら例えば、「悪人」とか「怒り」とかに連なる系譜の作品だと思うんですけれども、ここまでギリギリの感覚で書かれた作品はないってくらいのまた代表作が出来たなっていう思いです。
この秋にものすごく刺さる読書がしたいって思っている人には、この一冊を強く、強く、すすめたいです。本当に傑作が誕生したと思っています。
******
吉田さんの作品、親方が大変強く推していたのが印象的でした。「刺さる読書」がしたいので、この作品は読もうと思います!! 楽しみだなぁ~。
ということで、今月はここまで。それではまた来月。
【過去のエンタメ番付】