・ 中年の本棚:荻原魚雷著のレビューです。
まだ知らぬ中年本との出会いを求めて覗いてみた!
個人的には比較的自分の年齢にこだわりなく、その時の興味や気分に合った本を手に取ってきたので、トータルしてみるといつの時代も「読書」に関してのカテゴリーもそれほど変わらず読んでいると思う。
変わったな....って、顕著に感じるのは「雑誌」ですかね。昔は定期購読していた雑誌もあったけど、今はほとんど読まなくなった。スマホで「無料読み放題」をパラッと見るぐらいで、買うこと自体なくなってしまったかな。
前置きが長くなってしまいましたが、「中年の本棚」というタイトルに魅かれた。おそらくこの年代に合う本が紹介されているのだろう。どんな本が集まっているのか、これはちょっと気になるではありませんか!
まずは作者の経歴を。
三重県鈴鹿市生まれのフリーライター、エッセイスト。1989年秋から高円寺に在住。 明治大学文学部中退。在学中から雑誌の編集、書評やエッセイを執筆。『sumus』同人。古書に関するエッセイを主に書く。(Wikipediaより)
現在51歳とのことで、まさに中年真っ只中の魚雷さん。43歳から連載を始め、最終回の原稿は50歳の誕生日に書き上げたとのこと。「中年は中年として学ぶことがたくさんある。」「中年を迎えるにあたり事前に知っておけばよかったと思うこともいっぱいあった。」と言うように、本書には「学び」とも「道しるべ」ともいえるような本の紹介と、その引用文が豊富に掲載されている。
様々なジャンルの本から抜き出された言葉の数々は、その本を読んでいなくても、「ふむふむ」と、頷ける深い言葉をが多く、胸に響いて来る。
本っていろんな人々の、いろんなことがらとを、自分と照らし合わせながら読むことが多いなと感じる。わたしは小説を多く読んでいるけれども、やはり主人公は自分の年齢と近い人たちのものや、それより上の諸先輩方の本を読む傾向があるなぁと。それは「もし」ということに備えておきたいという気持ちや、小説を通して疑似体験しておこう的なものが無意識にあるのかもなぁ......と、本書を読んでいて感じました。
魚雷さんは歳とともに、小説はあまり読まなくなったとおっしゃっていましたが、わたしは今も昔も小説はその時の自分の状況に寄せたものをずっと読んでいる気がします。
前半は魚雷さんの読書傾向と自分の傾向とはあまり交わることがなかったのですが、後半に、ジェーン・スーさんや酒井順子さんが登場。グッと親近感が湧きました(笑)
本書は魚雷さんの自分語り的な部分も多く、中年特有の心身ともに訪れる老いに関する話も随所に盛り込まれている。ここは大きく共感しながら読みました。
魚雷さんはこう言う。
中年期に読んだほうがいいとおもう現代の作家は誰かと聞かれたら、わたしは星野博美と答える。
そうなのか~~!!
星野さんは未読だ!!「戸越銀座でつかまえて」は早速読まねば(笑)
その他にも数冊、この本から読みたい本がまた発掘されましたとさ(-.-)