NHKの「ひるまえほっと」内で、女優・作家である中江有里さんが紹介した本を掲載。
番組内のコメントや私のコメントを添えて掲載しています。
番組コーナー紹介文
月に一度のブックレビューです。案内人は女優で作家の中江有里さん。年間300冊の本を読む中江さんが、幅広いジャンルからご紹介。あなたも夢中になれる1冊に出会えますよ!
中年の本棚:荻原魚雷
番組ではまずは中年とは?の解説から。
話す人の年齢・性別によっても異なるが、だいたい40歳から50代半ばぐらいまでの人を指すことが一般的。━NHK放送文化研究所ウェブアンケート分析(2015)より
中江さん:
著者は30代半ばから中年に関する本を集め出したそう。ちょっと早いんですよね。そして43歳から、今回の本の元になる連載を開始して、50歳の誕生日まで書き続けた。
(116冊に及ぶ本の一覧を紹介。(本棚形式))
中江さん:
私も読みたいなって本がたくさんありまして、ちょっと好みが似ているなと思いました。中年期に読んだ方がいい本をひとり挙げるとすれば、星野博美さん。私も好きでなんですけど。(ここで星野さんの「島へ免許を取りに行く」の本の紹介と引用文)
私もね、読む時って言うのは重要だなって思っていて、若い時の本の選び方、読み方と、またちょっと変わってきているんですよね。自分の人生の、どの位置にいるかってことで、随分変わって来るんだなって。歳を重ねて、こういう風に本の読み方が変わるって悪くないなって感じました。
■内容
気力・体力・好奇心の衰え、老いの徴候、板ばさみの人間関係、残り時間…人は誰でも初めて中年になる。この先、いったい何ができるのか―中年を生き延びるために。“中年の大先輩”と“新中年”に教えを乞う読書エッセイ。 ━「BOOK」データベースより
赤ちゃんをわが子として育てる方を求む:石井光太
中江さん:
今回は石井氏が子供の虐待を取材する中で、菊田先生の存在を知り、それを小説として表した。なぜこれをフィクションにしたかというと、プライバシー保護の問題もあり、また、記録としての観点からもこの形に。
(この本のタイトルは、実際、菊田産婦人科が、地元の広告に掲載したもの。)
中江さん:
菊田先生は、赤ちゃんの命を守りたいと言う思いと、赤ちゃんが欲しいというご夫婦の願いを叶えると言う思いがあった。そして、法律を変えることに、非常に熱心に行動された。国会の参考人として呼ばれることもあったそうだが、その後ろには奥様の力強い支えがあったそう。
■内容
一九二六年石巻に生を受けた菊田昇は、母が営む遊郭で育つ。東北大学医学部へ進み、産婦人科医となった昇は、小さな命を救うため―望まぬ妊娠をした女性と子供を望む夫婦の橋渡しを始める。それは法を犯すことでもあった。その事実が、新聞のスクープで明るみになり、世間を揺るがす事件に発展。日母からの除名処分、国会招致、家宅捜索など、幾多の試練が降りかかる中、国を相手に闘い続け、一九八七年「特別養子縁組制度」を勝ち取った。東北の地で小さな命を守り続けた信念の医師がいた。本年必読の書。━━━「BOOKデータベース」より
ほんとうのリーダーのみつけかた:梨木香歩
中江さん:
もともとは同著者の「僕は、そして僕たちはどう生きるのか」の講演会を基にして、今回の本になった。この本を読んでいなくて解かる内容だそう。
やっぱり不安な時代は特に強いリーダーの存在が求められる。自分が分からないから、はっきりものを言って欲しい。わりと自然なことではあるんですけど、そういった状況を梨木さんは危惧している。
(ここで「同調圧力」についての解説)
中江さん:
今のネットでも言えることで、何か違うと思っても言いづらいみたいなことってあると思う。
本当のリーダーとは一体誰なのか、自分の胸の中に聞いてみたいなって思いました。
■内容
非常時というかけ声のもと、みんなと同じでなくてはいけないという圧力が強くなっています。息苦しさが増すなかで、強そうな人の意見に流されてしまうことって、ありませんか?でも、あなたがいちばん耳を傾けるべき存在は、じつは、もっと身近なところにいるのです。あなたの最強のチームをつくるために、そのひとを探しに出かけよう。━━━「BOOKデータベース」より
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<感想>
今月は「秋におすすめの本」だそうです。きっちりと読み込めそうな三冊といった印象です。