禁足地帯の歩き方:吉田悠軌著のレビューです。
感想 爆報!THEフライデーで、著者が登場!話題の本です。
「禁足地帯」━━自分では絶対行けないだろうと思う場所といった感じでそそられます。表紙の筆者の写真、もう歩いていると言うより這っている。しかも、軽装。やぁー、どんな所へ行ったのだろう。
5章からなる構成は以下の通り。
一章 禁足
二章 人形
三章 怪談
四章 聖地
五章 黄泉
途中、原色ルポとして「奇祭」
禁足ムードが高く興味深かったのは第一章。本書のタイトルの期待を満たしてくれた。そして、意外にも近いと言えば近いところで、こんな風習があったのか!と。それを実感したのは、大島や神津島の秘祭「日忌様と二十五日様」。
小説で島に関する生活や風習など、珍しい話は数々読んで来たけれど、あくまでもそれは小説。しかし、小説だけではなく、今もなお昔からの「ならわし」がしっかり息づいている場所があることにまず驚きと感動があった。
なんとなく「島」って神秘的だなぁと思っていたのですが、こういう話が本当にあると、より一層「島」が神秘的に見えて来る。でも、考えてみれば大きな意味で日本全体も「島」なんですよね。この国自体がやはり神秘的なところなのかもなぁ・・・なんてことまで考えながら読み進めました。
その他には、タイの人形・ルク・テープ。この人形に魂を入れるとかの、うわぁーな話。心霊スポットを周るタクシーの話なんかも。これ、夏になるとテレビなんかでもやってるけど、本で読む方が怖さ倍増でした。
というのも、本書、写真がいまいちなんですよね。全体的に暗いと言うか黒くて見ずらい。まぁ、暗いところを撮影しているから仕方ないのですけどね。でも、タクシーのところは、この暗さが逆にめちゃくちゃ怖くて、ササーーッと読み終えなきゃって(笑)
後半に行くほど、観光レポートっぽい感じになり「禁足地帯」感はすっかり薄れます。奥様と一緒に行く旅行記っぽいものもあります。
そんな筆者が奥様と結婚に至った話、禁足地帯より結構凄いものがある。神戸・氷室神社の「恋愛弁天」ってちょっとスゴイ!!何が起きたのかは、ぜひ本書で確かめてみてください。
ということで、毎年、この時期になると読みたくなる系の一冊。こういう話は尽きないものだなぁと、つくづく思うのであった。
※爆報の番組で紹介された話もかなり怖かったです。他の本も読みたくなりました。