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【レビュー】私たちには物語がある:角田光代

 

私たちには物語がある:角田光代著のレビューです。

私たちには物語がある (小学館文庫)

私たちには物語がある (小学館文庫)

  • 作者:角田 光代
  • 発売日: 2013/10/08
  • メディア: 文庫
 

 

 読書をしていると誰もが感じる「それ!」という話が数多く登場

 

 

自分の好きな作家が読んでいる本はどんな傾向なのか?と、ふと思うことがよくあるし、また、好きな作家が他の作家のおすすめ本などは、読んでみようと思うことが多い。そんな意味でも今回、角田さんがピックアップする本は大変興味があります。

 

ずっと積んだままになっていた本書。読み始めたらきっと読みたい本が倍増しそうな気がしてちょっと怖かった(笑)というのも、本書は150冊にものぼる本が、角田さんの魅力ある文章をもって案内されてしまうのです。キケンですね~。

 

一章は「本のある世界でよかった」という括りで、ここに掲載れている本は、角田さんの自分語りを含めたその本への想いがたくさん詰まっているものが多い。読書感想というより、ひとつの物語を読んでいるような雰囲気です。とにかく本に対する愛情がそこかしこから感じられる。

 

また、同じ本でも自分の成長段階によって変化する様など、読書をしていると誰もが感じる「それ!」という話が数多く登場。

 

苦手な本を再読してみたら、「なぜあの時これが苦手と感じたのか?」「作者はこんなことを言いたかったのだろう」など、新たな発見とともに、自分自身のことも見えて来るなんてこと、結構ありますよね。苦手意識から遠ざかってしまった本が、長い年月を経て好きなることの面白さを角田さんは語っています。

 

あと、好きすぎる作家の作品を、すべて読み切ってしまうことの怯えともいえる感覚。特に、その作家が亡くなってしまって、新作が出ない場合などは、もうほんと、大事に読むものねぇ。角田さんに大きく共感してしまいました。

 

 

 

後半は「読書の部屋」ということで、新聞や雑誌に掲載され書評がたっぷり。ここを読むと、何度か登場する作家がいるので、角田さんのお気に入りも解かる。読んだことがある作品も結構あり、楽しかったです。

 

もちろん読みたくなった本も何冊かあります。読もうと思ってずっと保留状態の佐野洋子さんの「シズコさん」。重そうな話であり、なかなか手に取れなかったのだけれども、角田さんの感想を読んでいると、そろそろ読めるかなぁと感じた。

 

といことで、本書は何もかも魅力的なんですが、思っていることをこんなにもきっちりと文章にして表現できるってことに脱帽です。書きたくてもどう表現して良いかってことが多々ある自分。そんな部分をスイスイと飛び越えて文章にしていく角田さん。物書きの本領を見た気がします。

 

読み逃しているものが結構あったので、余裕のある時にここからチョイスして読むのもいいかな~って思っています。