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【レビュー】貧しき人々:ドストエフスキー

 

 貧しき人々:ドストエフスキー著のレビューです。

貧しき人々 (光文社古典新訳文庫)

貧しき人々 (光文社古典新訳文庫)

 

 

「貧しさに負けた~~♪ いえ 世間に負けた~~♪」という曲が流れて止まらない

 

なかなか敷居が高いロシア文学。

往復書簡形式の小説ということで、これなら行けるかも?と、恐れ多くも初ドストエフスキーです。

 

読みにくそうだの、くどそうだの、読み切るのは無理だろう?など、先入観バリバリで挑んだわりに、自分でもびっくりするほど一気に引き込まれちゃったという恐ろしいオチが(笑)

 

強面の人に親切にされ「あら?人は見かけじゃないわ~」的な気分にさせられたのです。(実際、ドストエフスキーって名前もごっついし、色々な作品の表紙になっているお顔も威厳があり、さらにハードルを高めていた)

 

というわけで、処女作というわけで、おそらくお手柔らかな対応を受けた私。設定自体も分かりやすく、登場人物の人数的にも抑え目で良かった。名前がまどろっこしい上、人数がたくさんだと対応しきれません。

 

 

 


内容は初老の下級役人マカール・ジェーヴシキンと幸薄い少女ワーレンカとの手紙のやり取りで、二人の日常を交互に綴っていったもの。タイトル通り二人は貧しく、お互い励まし合って生きている。

 

二人は恋仲なのか?メル友?リアルな友人なのか? ん?ご近所らしいね。状況を静かに見守りながら推理する。

 

どちらかというと、年上であるマカールの方が彼女に恋焦がれている模様。それは彼女よりうんと長い手紙であったり、手紙を出す回数であったり。言葉だって一言一言、熱を帯びて伝わって来るものがある。

 

ワーレンカはどうだろう。
彼女の手紙は情熱的な部分を見せつつも、わりと淡泊なのだ。
彼女の方がマカールより落ち着いていて、現実的だなーと感じさせられる。
最終的にやはりその部分がふたりの関係に大きく変化をもたらすことになる。

 

本作品で私が一番気に入っているのは、ワーレンカの過去の話。
この部分でドストエフスキーの印象が私のなかで大きく変わったとも言えます。

 

それとなんだろう。
マカールの手紙はいつしか隣で普通に話しかけられているような・・・。ってくらい、近い!近いのだ。まるで「私」宛ての手紙を読んでいるみたいな妙な感覚に思わず空(くう)を見つめてしまった。すごい臨場感があったのは私だけだろうか?

 

作中出てくる文学作品については全く解らなかったのですが、自分の理解出来る範囲で十分楽しめました。

 

ドストエフ好きーまでとはいかないが、ご挨拶程度に彼の文学に触れられて良かった。
読み切れて良かった。でも多分、他の作品はもっと曲者なんだろうな~と、うっすら感じている。

 

さて誰か・・・マカールの靴底、なんとかしてあげて!
「貧しき」という表題を見るたびに、あの靴を履いているマカールの姿が浮かんでしまう。