おっぱいマンション改修争議:原田ひ香著のレビューです。
内容よりタイトルのインパクトの方が大きい!?
おっぱいマンションの外観の説明を読んでまず思い浮かんだのは銀座にある「中銀カプセルタワービル」。かなり古くビンテージ感満載の建物を設計したのは、今は亡き黒川紀章氏。読後に調べたら、本書に登場する「メタボリズム建築」も、黒川氏が提唱したものであるらしいのだ。
ということで、本書はこの建物がモデルになったのだろうと勝手に解釈しました(笑)マンションがおっぱい?....どんな外観か気になる方は、装丁画を参照されると「あーなるほど」と思われるのではないかと。
建設当時から色褪せないビンテージマンション。都内にもたくさんあるが、外観はともかく、一歩中に入るとやはり避けては通れない老朽化という問題が起こっている。おっぱいマンションもそんなマンションの一つ。天才建築家が建てた古いマンションは、その建築家の家族や教え子たち、そして住民たちの様々な思いが詰まっている。しかし、そろそろマンションを壊し、建て替えたほうがいいのではないかという論争がはじまる。
マンションの歴史は人々の歴史でもある。個性豊かな登場人物たちにまつわるエピソードなどそれなりに楽しんで読んでいたのですが、如何せん結末がスッキリしない感じなんですよねぇ。収まりが悪いと言おうか。
老朽化が進んだマンションの中には、本書のような問題を抱えながら住み続けているケースもあるかも?と思うと怖ろしいなぁ・・・。
読み易いけれどもちょっと微妙でした。と、ざっくりした感想で〆ます(笑)