うずまきぐ~るぐる 

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【レビュー】また明日:群ようこ

 

また明日:群ようこ著のレビューです。

また明日

また明日

 

 

 

巡り巡ってまた元の場所に戻れる心地よさ

 

おさななじみはどんなに時間が経っても会えば一瞬にして昔に戻れる。━━なんて、話は方々から聞く。確かに学生時代の友はそういうもの。私にも覚えがあり理解できる。しかし、近い存在だからこそ言えないことも実はあったりするということも本書を読むと解る。

 

ある時期から住む場所や家庭環境が変わると、彼、彼女たちの近況が全く分からず、再会するまでの時間がすっぽり抜けてしまう。その間に人はいろんな年を重ねているんですよね。スタートは一緒だったのにね。

 

 

 

本書は小学校のおさななじみ男女5人が、中高年になって再会するまでの各々の歩みを小説にしたもの。小学校生活、家庭環境、個々の性格等々、丁寧に描かれている。それだからか、彼、彼女らのその後の人生の歩みをかなり近距離から見ているような感じでした。

 

サラリーマン家庭に育った、ヤヨイ。お嬢様育ちの、ユリコ。体が大きいマスコ。お調子者でおっちょこちょいな大工の息子、カツオ。ヤヨイの隣家の息子、タカオ。

 

同じ小学校という場所からスタートした各々の人生。こうやって眺めてみてみると、みんなどこかで躓いたり、戦ったりしながら歩んでいる。誰か一人がずば抜けて幸せだとか恵まれているとかではない。神様は意外にも公平に試練を与えているものだなぁと感じます。

 

あの時幸福そうに見えていたあの人も実は大変な状況だったとか、近くにいてもなかなかな気づけない家庭の事情など、時が経ったからならではの会話もなかなか感慨深い。

 

普通の人々の半生だけにとても身近に感じる小説でした。巡り巡ってまた元の場所に戻れる心地よさ。まだまだ人生はいろんな試練を乗り越えて行かなければならないことは薄々解っているからこそ「また明日」と言い合える友達の存在の大切さに気づかされる一冊です。