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【レビュー】日本懐かし団地大全:照井啓太

 

日本懐かし団地大全:照井啓太著のレビューです。

 

どんどんなくなる、団地のある風景

 

団地の灯りを見ると何故だかとても幸せを感じる。マンションのそれとはどこかが違う「団欒的温かさ」がそこにあるように思える。そして昭和臭もたまりません。

 

本書を開くと、まさに懐かしい風景が広がる。団地の何が良いって空間が広い。住まう部屋は狭いのだけれども、共有である庭の芝生や植物豊かなスペース、子供が遊べるちょっとした公園など、広々とした空間が魅力的なところが多い。大きな団地になると、マーケットや商店街的なものも併設されていて、わざわざ出かけなくても団地内で生活が完結できそうである。

 

昔は単身専用棟といものあったそう。今で言うシェアハウスのようなもので、4畳半の和室と台所のみ。バス、トイレは共有ということでお風呂の写真を見たら、まるで銭湯のような雰囲気。今でも需要がありそうな物件であります。

 

団地と言えば給水塔や壁に書かれた住棟番号。特徴のあるものを集めた写真も必見です。

 

 

 

 

そんな団地も50年近くの年月を経て老朽化で壊されてしまっている。ここに残っている写真の大半の団地はすでに壊されているのが無念。特に私の好きな阿佐ヶ谷住宅の写真は、今見ても胸がキュンキュンします。現在同じ場所には大型マンションが建ってしまったという事実がなんだか本当に悲しい。今と昔を知っている者にとっては、こんな変化にそうそうついて行けず、新しい風景に戸惑うばかりです。

 
そんな中、懐かしいお名前を発見。阿佐ヶ谷住宅のプランを設計した津端さんです。津端さんも阿佐ヶ谷住宅も消えてしまったことにまたまた淋しさが・・・。

 

団地で育った人は再び団地に戻って来ることが多いという。私も幼少期は社宅の団地で多くの子供たちとのびのびと過ごしていたので、なるほど団地にちょっとした「ふるさと」を感じるのも理解できる気がします。

 
もうこうして本のなかでしか会えない風景というものが、これからどんどん増えていくのだろうなぁと、ちょっと複雑な気持ちで読み終えました。

 

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