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【レビュー・感想・あらすじ】センス・オブ・シェイム恥の感覚:酒井順子

 

 

センス・オブ・シェイム:酒井順子著のレビューです。

 

感想・あらすじ あれもこれも恥ずかしい。世の中恥ずかしいことだらけ

 

「恥ずかしい」って感情が生まれるシーンって、こんなにもあったのかぁ・・・と、ページがめくりながら、ある種の感動を覚えた。

 

恥ずかしいっていうと、人前で失敗したとか、言い間違えたとか、人間違いしたとか、ものを知らずとかそんな感じしか思い浮かばなかったけれども、こうして取り上げられている項目を見るにつけ、「なるほど、確かに恥ずかしいわ」と思わされるものが多い。実は奥の深いものなのですね。

 

 

 

 

なかでもSNSの話は、いかにも現代人ならではだなぁーと。中年であれば、子供自慢、仕事自慢、モテ自慢、親孝行自慢、料理自慢、夫に大切にされている自慢、善行自慢等々、いやはや、結構な自慢が蔓延しています。そして面白いのが一定数つく「いいね!」。「あーあるある」と、酒井さんの心の声に思わず笑ってしまう。

 

...なんて話は序の口。「恥ずかしい言葉」なんてものもある。

酒井さんは略語が苦手というわけではないのに、「アイス」「チョコ」は恥ずかしくて言えないらしい。「アイスクリーム」「チョコレート」と言わなければならないと。こういう自分だけの恥ずかしい言葉って確かにあると思う。

 

わたしは「でかい」かな(笑)これは自分も使えないし、女性が使っていると「ひっ」となる。「でかい袋になっちゃいますが、これでいいですか?」って女性店員さんに言われた時には、ワンテンポ返事が遅れたほど。

 

「感謝に照れない世代」は、現代の親子関係を考察。

なんのためらいもなく母親に感謝の意をこめてハグする息子。これって今では普通なんですね。やはり私も酒井さん世代なのでびっくりするものがあった。自分の同級生男子のそういう光景は全くもって見たことがないので、思わず「へぇー」と声が出た。もし、知り合いの親子が目の前でそんな光景を繰り広げたら微笑ましいと思う前「え?」となるかも。でも、親子のスキンシップはなんの照れもなくというちょっとした欧米化?時代はどんどん変わっているのですねぇ。

 

 

 

そして「読んでいる本」

自分の読んでいる本ってどう?人に知られても恥ずかしいと思わない?ただ単に本を汚したくないからという理由でカバーをかけてる人も多いかとは思うけれども、かける、かけないには、「恥ずかしい」という心理が結構潜んでいそう。

 

そこで思い出したのは、昔、図書館でちょっと変わった本を借りるときのこと。司書さんに見られるのが恥ずかしいと思った時代もあったなぁと。「図書館にある本なんだし、何が悪い」と自問自答して開き直ったのと慣れで、今ではなんのためらいもなく借りるようになったけれども、やはり、電車など公共の場となると、カバーかけてしまいがちだったりします。そのあたりの恥じらいの感覚はまだ残っているっぽいのです。

 

と言った感じで、まだまだ興味深い考察は続きます。

恥ずかしと感じることは、本当個人差があり、自分が恥ずかしいと思うこともあれば、見ていて恥ずかしいこともある。「恥ずかしい」は、実に奥が深いものであったのだなぁと改めて思った次第です。

 

しかしまぁ、酒井さんは何冊出版されてもその観察眼は衰えることなく、ますます目を光らせている感じが伝わって来ます。この先はどんなことに注目し考察するのか、楽しみです。

 

 

 

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こちらは著名人の恥ずかしかった話がたーくさん載っています。

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