かえりみち:森洋子著のレビューです。
かえりみちと言う大冒険
こどものころのかえりみちは、自分に何かを課すことが結構あった。
学校から同じ石をずっと蹴り続けて帰るとか、じゃんけんして「パーイ―ナッープール―」「グーリーコー」と大きな声を響かせながら遊歩道でぴょんぴょん跳ねまくっていた。
この絵本はそんな子供の帰り道の世界を描いている。
ページ半分はよくある子供の帰り道の風景。
もう半分は・・・
例えば数段の階段を飛び降りるとき、どんな気持ちで挑むのか。
彼女の頭の中はパラシュートを背負って「いざ!」と、高度何万メートル上空から落下するといった風景が見えているのです。
だから必死です。
だって間違ったら死んでしまうかもしれないんですから。
大人になったら見えなくなる世界や空想というものが確かにあって、それを可視化するとこんな風になるのかもしれません。
それはどこかも判らない異国だったり、いつだか分からない時代だったり、シュールな動物たちが蠢いていたりと、世界をくるくる変えながら目の前に現れます。
ちびっこたちの帰り道はちょっとした冒険なんですね。
だから家に着くまでとっても時間がかかります。
お母さんが出迎えてくれて、一安心。もう日が暮れています。
壁にへばり付いて歩いている子、横断歩道で目を見開いている子などなど、彼らはもしかしたら何かに挑んでいる最中なのかもしれません。
あ、でも酔っ払いの世のお父さんも、
もしかしたら千鳥足でこんな世界を見ているかも?(笑)
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