森のおくから―むかし、カナダであったほんとうのはなし:レベッカ ボンド
著のレビューです。
人間と動物の間の隔たりがなくなった唯一の時間とは?
著者のおじいちゃんが本当に経験した話だそうです。
1941年。アントニオ少年はカナダの森のなかに住んでいました。
おかあさんがやっていたホテルは、釣りや狩りをする人や旅人たちの宿としてにぎわっています。
少年はそんなお客さんや従業員たちに好奇心を抱きながら毎日楽しく過ごしています。
穏やかな日々から一転、山火事が起こります。
みどり豊かだったページは一気に赤い炎に包まれます。
殺伐とした雰囲気のなか、少年はある不思議な光景を目にするのです。
自然災害の前では人も動物も太刀打ちが出来ない様子がこんな形で現れるとは!
とても不思議であり、ある意味幻想的な光景でもありました。
人間と動物の間の隔たりがなくなった唯一の時間。
少年の心にいつまでも残るある夏の出来事は、
わたしたちにとってもいつまでも心に残る話となって生き続けます。
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