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【レビュー】城の中のイギリス人:アンドレ・ピエール・ドマンディアルグ

城の中のイギリス人 アンドレ・ピエール・ドマンディアルグ著のレビューです。

城の中のイギリス人

城の中のイギリス人

  • 作者: アンドレ・ピエール・ドマンディアルグ,Andr´e Pieyre de Mandiargues,澁澤龍彦
  • 出版社/メーカー: 白水社
  • 発売日: 2009/03
  • メディア: 単行本
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◆ザ・鬼畜…残虐な世界へ

 

 

まぁー鬼畜ぶりが酷すぎる。
あらゆる倒錯的性行為を、ここまで書き上げたことはある意味すごい文学作品ともいえます。

 

サディスト系の小説は昔何冊か読んだけど、もう少しこう血の通ったものであったり、
愛情が垣間見れたりした記憶があるが、この小説には、そういう部分が1ミリも感じられず、ただただ、自分の欲求・快楽を満たすことに終始する。

 

登場人物の誰か一人でもいいから救いようのある人物が居れば、私もその人にぶら下がって物語の中に入って行けそうだったけど、人格やら感情やらといった部分はお構いなしなので、感情移入など悠長なことを言っていられる状況ではなかった。逆に残虐なシーンに自分も対抗するがごとく、できるだけ無感情でいることに徹してみた。

 

ここに出て来るモンキュ氏は、究極の欲求不満者とも言えよう。性的にというより、人間関係・女性関係…分りませんけど、何をしても欲求が満たされない人物。

 

それともうひとつ。極度なコンプレックスがこういう形で露出されたのかと。
男性の大きさや勃起具合に関する表現や文章がやけに目につく。そりゃ、こういう小説だから必要っていうのもあるんですけど、なんかそこだけ不自然な感じがしたんですよね。これは作者自身の心が反映されちゃってるのかしら?とも思ったりするのですが…。(深読みかも?)

 

舞台設定や全体の雰囲気などはむしろ素敵。グロさもある程度覚悟していたので
読めるレベルでした。(個人的にですが)しかし、全体的になんか大味っていうのかな…。もっとねっちり、細かい描写が欲しいところでした。

 

そう言えば渡辺淳一氏の『シャトウルージュ』 を思い出しました。こちらはフランスのシャトーでの調教話。閉じ込められている感漂う雰囲気になんとなく通ずるものを感じます。あれ?でも、ラストに来て、なにか腑に落ちるものが…。毒されたのか?