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【レビュー】赤い靴はいてた女の子 (1979年) :菊地寛

赤い靴はいてた女の子 (1979年):菊地寛著のレビューです。

赤い靴はいてた女の子 (1979年)

赤い靴はいてた女の子 (1979年)

 

 

◆追跡!赤い靴をはいてた女の子

 

 

1.赤い靴はいてた女の子
  異人さんにつれられて行っちゃった

     2.横浜の埠場から船に乗って
       異人さんにつれられて行っちゃった

          3.今では青い目になっちゃって
              異人さんのお国にいるんだろう

                 4.赤い靴見るたび考える
                     異人さんに逢うたび考える

 

横浜の海を見ると必ず脳内で歌い出すこの歌。
いつも1番だけグルグル歌っていて、最後まで知らなかったんだと気づく自分。

 

そしてこの歌の女の子は一体どんな子だったのか?
実存したのかそれすらあやふやで、結局、なにひとつ知らないではないか!

 

ただ、イメージだけはあるんですよね。この子は無理矢理、
外国に連れて行かれたとか、人さらいとか、悲しい背景があっただろう
ということを漠然と想像していました。

 

たまたま、菊池寛の本を探していたら、この本を発見。
へぇー、菊池寛がこんな本を書いていたのだ…と、早速借りて読んだところ、
あの有名な「菊池寛」ではなく、同姓同名のテレビ局のプロデューサ―でした。

 

本書は菊池さんが、この少女を追跡していくというものなのだが、
本当にこの追跡劇がすごいものになっている。

 

私が生まれた10年も前に去った姉。いまとなっては

顔も姿もしのぶよしもありませんが、瞳を閉じると

赤い靴をはいた4歳の女の子が、背の高い青い目の

異人さんに手を引かれて横浜の港から船に乗って

ゆく姿が目に浮かびます。

この姉こそ、後年、野口雨情が「赤い靴」に書いた女の子なのです

 

筆者はこの妹さんの手紙をきっかけに、ありとあらゆる人と接触し、
真相に迫って行きます。

 

それはそれは、長い経緯があり、そして野口雨情が何故この歌を作ったのか、
色々な繋がりが読んで行くうちに見えて来る故、まったく途中から
目が離せなくなります。

 

自分がイメージしたこの少女には幸福なイメージはなかったのですが、
本書を読むことによって、恐らく大事に育てられていたのではないかと
感じることが出来ました。

 

しかし、この少女が早世していたことはやはり痛ましい。

 

少女がどういう人たちと過ごし、どういう人生を歩んだのか、
内容は読んでいただきたいので、あえて最小限のことしか
ここでは書きませんでした。

 

それにしても、この筆者は凄いです。アメリカにも出向き、人探しをするのに
電話帳で片っ端から電話をかけまくったりするのです。
そのおかげで、私たちはこうして、大変貴重な話を聞くことが出来るのですから、
本当にありがたいです。

 

現在はネットなどでも、この少女について簡単に知ることが出来てしまいますが、
ブラウザ1枚でサクッと知ってしまうよりも、長い長い道のりを
作者とともに歩いて知るのもいいもんだよ…と、言いたくなるような話でした。

 

なお、当時、菊池寛氏はドキュメンタリードラマ「赤い靴はいていた女の子」
を制作。