ツナグ:辻村深月著のレビューです。
◆今、一緒に居られる時間を大切にしようと思える1冊。
みなさんは亡くなってしまった誰かに会いたいと
思ったことがありますか?
少なくとも1人くらいは居るでしょうか?
ツナグとは、死者との間を取り持って再会させることが出来る
使命をもった者のことを、この話ではいいます。
突然死したバラエティータレント、親、親友、行方不明になった恋人
などに会いたいという依頼を受け、次々に再会をさせて行きます。
最終話ではツナグ自身について、またツナグから見た依頼人という
形でこれまでの話がよい感じで溶けていく。
そう、「溶ける」という文字が私にはしっくりきます。
きちんとお別れが出来なかった、こんな話を聞いておきたかった
これだけは生きているうちに伝えておきたかった等々。
失ってから気づくことが世の常。
果たしてもう一度会うことはお互いにとって幸せなことなのか?
いつか会えることを楽しみに、そして今、一緒にいられる時間を
大切にしないといけないとこの本は静かに教えてくれます。
余談ですが、飯島愛さんのことをこの中で出てくるタレントを
読みながら思い出しました。
前半はずっとそのことが頭の中から離れなかったです。
uzumaki-guruguru.hatenablog.com
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