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ブラック・カルチャー観察日記 黒人と家族になってわかったこと:高山マミ

ブラック・カルチャー観察日記

 黒人と家族になってわかったこと; 高山マミ著のレビューです。

ブラック・カルチャー観察日記 (P‐Vine BOOKs)

ブラック・カルチャー観察日記 (P‐Vine BOOKs)

 

 

 

◆幾ら本を読んでも、幾ら話を聞いても知ることのできない部分。
 これぞ「異文化」なんだろうなぁ。

 

 

 

その国の文化を知るのには現地にある程度の期間住んでみるとか、
その国の人と一定期間でも関わることが一番の近道ではあるわけだけど、
それでもやはり、ネイティブじゃなきゃ決して解らないといことは

たくさんあるし、そこを知ろうとすることはなかなか難しい。

 

本書はアフリカ系アメリカ人男性と結婚した日本人女性といういち個人、
しかも、アメリカのあの広い大地のシカゴというごく一部の地域の話です。

こういった話を鵜呑みしてしまうことはなんなんだけど…
まぁ、話半分って気持ちで読むことにしようと、ちょっと尖った

気持ちで読むことに。

 

結果、かなり面白いんですよ、コレが。

人種差別云々の話を熱くアピールして来る本が結構多い中、

本書はどうして黒人がこのような行動を取るのかという根本的な部分が

具体的に語られ、なるほどと理解できる部分が多かったです。

 

テーマ的にも大きくなりすぎず、あくまでも日常目線なので

解り易いといった印象です。

 

例えば、大学を卒業して定職についた20代半ばの黒人男性たちは「いい車」に
乗っている人が多いそうだ。メルセデスBMW、レクサス等々…、

著者も言っているが年齢不相応な車の名前が並ぶ。

 

ミドルクラスの黒人居住区では、住宅は全然高級じゃないのに、
このような車が並ぶそうだ。

なぜ、そこにこだわりを持つのか?読んで行くと、なるほどそこには

一筋縄ではいかない事情や深い意味があるのだなということが

理解できるのと同時に、アメリカ社会の複雑さがダイレクトに伝わって来ます。


他にも「何故オリンピックのUSA水泳選手に黒人選手が少ないか?」など、
日ごろ感じていたそう言えばそうだよなぁ…なんて疑問も
これまた「なるほど」であった。

 

また「女のきもち」の章では、黒人女性の天然パーマの苦悩や、
「黒人男性は自分達の男」という意識などから、女性達の複雑な
気持ちも感じられる考察も多い。

 

本書を読んでいて「これぞ!」思った部分は「男同士のひみつのあいさつ」。
黒人男性同士のみで交わされる挨拶。知らない人でも黒人男性同士でそうする
一種独特なスタイル。

 

直毛にパーマをかけてドレッドヘアにするとか、

パンツずり下げファッションといった「カルチャー」から

程遠い位置にある。

 

 

と、著者は語っている。

この話の内容を読んで、幾ら本を読んでも、幾ら話を聞いても知ることの
できない部分とはまさにこの話のようなことなんだろうなぁ…と深く
頷いてしまいました。

 

オバマ政権以前の話なのかと思いきや初版は2011年。
白人、黒人社会の違いがくっきり分かれている状態もたくさん感じられる1冊。

 

最初は、尖った気持ちで読んでいたのですが、いつしかのめり込んでいました。

著者のあとがきに「自分」が見たものと、他の人が見たものとで
「事実は異なる」とあった。

 

確かに、ここに書いてあることがすべてではないという気持ちは、
今もどこかにあるけど、知らないより知った今のほうが俄然、視界が広がった。
うんうん、なかなか楽しい本でしたよ。R&B好きさんにもオススメ。
音楽の話もたくさん出てきます。

 

 

 

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