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【レビュー】雪のひとひら:ポールギャリコ

 

雪のひとひら:ポールギャリコ著のレビューです。

 

雪のひとひら (新潮文庫)

雪のひとひら (新潮文庫)

 

 

 

◆雪のひとひらが見せるたくさんの姿に魅了され、

           しばし他にはない独特な世界観に浸る。

 

 

てっきり雪の一生を描いた話かと思っていましたが、
いつしか雪が人の姿と重なり、読者は女性の一生、
そして人の一生と向き合う形で本をめくることになる。

雪のひとひらがこの世に生まれた瞬間からはじまる話は、
時にひやひやさせられたり、微笑ましくながめたり。

まるで自分の気持ちもひらひらと舞いながら
自然のなかに溶け込んでいくような心地よさを覚える。

人生の春、こころ弾むイベントである恋愛。

雪のしずくと雨のしずくが運命的な出会いをするのですシーンは
特に印象的で可愛らしい。わたしも一緒にときめいてしまう。

二人は恋に落ち、伴侶になるのです。

人でも動物でもない彼らの出会いから家族を持つまでの一連の流れは、
今までにない不思議な感覚に包まれる。
第一、どうやって二人の間に子どもができるのでしょう。

時は進み、
子供たちも独立し、伴侶との悲しい別れも訪れる。
賑やかな時代は去り、静かな一人の時間へと戻っていく雪のひとひら。

ひとつの生命に与えられた時間はなんて短くて儚いものだろう・・・
ということをしみじみと感じさせらる。

そしてよく言われている、
「人は一人で生まれて来て、一人で死んでいく。」
こんなことを無性に考えてしまうのだ。

遠い昔からこれから先の長い長い時間のなかで、
ひとつの命が生かされている時間はわずかな一つの点に過ぎない。

作者はそんなひとこまを雪のひとひらに託し、美しい物語を描いた。
素晴らしいの一言に尽きる。

静かで強くて情熱的で温かくて孤独で儚くて美しくて・・・・

雪のひとひらが見せるたくさんの姿に魅了され、
しばし他にはない独特な世界観に浸っていました。

余談ですが雪が降ると灰色の天を見上げ、
「一体、あなたたちは何処から来て、何処へ消えていくの?」
と、雪に問いかけていた幼少期←ちょっと痛い子ですが(笑)

そんな私にとってこの本は冒頭部分から夢中にさせられるものがあり、
長いあいだ置き忘れていた「?」に答えを出してくれたありがたい作品でもあった。
今になって偶然にも自分の元にやって来てくれたこの一冊がなによりも嬉しかった。

来年の冬は、雪の見方がちょっぴり、いや、だいぶ変わるだろうなぁ。