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【レビュー】ビンボーの女王:尾崎将也

 ビンボーの女王:尾崎将也著のレビューです。

ビンボーの女王

ビンボーの女王

 

 

 

◆一見ライトな小説だけれども・・・・

 

 

テレビドラマを見たような気分だな....と思ったら、
著者は数々のドラマを生んだ脚本家だったのですね。
あまり文章を読んでいるとは感じさせない読み易さと
映像が浮かぶ描き方とドタバタ感から、すぐにでも
ドラマになりそうな雰囲気です。

 

テレビのADの仕事で身も心もボロボロになりながら働いていた。
家賃の節約にもなるということで知人の家でルームシェアをしていたが、
仕事の方が限界を迎え辞めてしまう。


新しい仕事を見つけようとしていたら、その友達が部屋を出て欲しいと。
なんでも彼氏と一緒に住みたいという。嗚呼無常。。。

 

そして、家を借りるにも借りる条件が整わず、おまけに母親の
保証人だったという事実が発覚し借金まで!?
という凄まじい転落ぶりが痛々しい。

 

彼女はネットカフェで生活をし、日雇いの仕事をしながら
なんとか生きてはいたが、ある日、ネットカフェで人質事件に

巻き込まれそこから彼女の人生が動き出す。

 

彼女と関わった人々がSNSを通して繋がって行くなど
現代的でもあり、ちょっと無理がある感じもしないでもないけど、
タイトルにある「女王」とはなんだろう?と彼女の未来が決して
暗くないのではないかと期待しながら読み進めることに。


さて、彼女はビンボーな世界から這い上がって来るのだろうか?

 

ネットカフェ難民と言う言葉はたまに耳にするし、
個々色々な事情でそこで生活をしているのだろうが、
一度こうなってしまうと、安定した職を見つけない限り、
なかなか抜け出せない構図が出来ていることがこの小説で解る。


ここまでいろいろな悪い偶然が重なることは稀かもしれないが、
一つ何かを失ったことからはじまる怖ろしさがあった。

一見ライトな小説だけれども、社会問題を切り取った小説でもあった。