地の星 なでし子物語:伊吹有喜著のレビューです。
「どうして」を 「どうしたら」に 変えて行こうとする人々の姿が心を打つ。
「なでし子物語」からあっという間に月日は流れ、物語の内容はうっすらしたものになってしまったが、この物語の弾んだ感じと、キラキラしたイメージはずっとわたしの心の中に残っている。そして流れるはオリビアの「ザナドゥ」。
まさかこの物語に続編が出るとは思っていなかったので、ちょっと動揺した。あれから○○年後・・・って話は、結構落胆したりすることもあり、正直あのキラキラした感じが崩されたら嫌だな・・・って思ってしまったのだ。さて、どんな風にキラキラした時間から続編に繋がってゆくのか・・・・。
まずは峰生の名家・遠藤家の邸宅・常夏荘がまだ残っていたこと安堵。しかし、常夏荘は以前と違い経済的にも苦しい状況。そして一番の変化は、当時、使用人の孫娘であった燿子が、常夏荘の長男と結婚をし、子供を生み、この地で女主人として奮闘中であった。
やぁーいきなりあのヨウヨが28歳のすっかり大人の女性になっていてビックリ!なんて感慨に浸っていたのも束の間。常夏荘の状況もよろしくなく、なかなか生々しい物語になっていたことに若干の失望感。
燿子は少しでも常夏荘の役に立とうと、家族の反対があったにもかかわらずスーパーのパートを始める。そこでもいじめなど辛いことも多々起こるわけだが、スーパーの存続も危ぶまれたことにより、燿子の底力が発揮され、見る見るうちに物語が活気立ってゆく。
このあたりの展開はお仕事物語的なものがあり、人間関係と経営の難しさがクロスされ、従来の「なでし子物語」からちょっと違った雰囲気を帯びてくる。
しかしながら常夏荘とこのスーパーは常に繋がっており、どちらの行方も気になるといった読者には目が離せないものに仕上がっている。また、燿子とともに育った立海、二人を見守っていた照子さんの現在もみどころです。
本書では燿子がどんどん逞しくなっていく様や、地域の人々との関りなどが際立ち、あの時の常夏荘よりだいぶ賑やかなものになっている。
ただ何もせずに過ごすのではなく、「どうして」を 「どうしたら」に変えて行こうとする人々の姿が心を打つ。このあたりは前篇の「自立、自律」のテーマと同じであり、筆者がこのシリーズを通して読者に伝えたいものなのであろう。
ちょっと職業小説っぽい流れになってしまったな~と言う気持ちもあったけど、時の流れとともに小説の中の人も私たちと同じく変化していくものだと、自分なりに落としどころを見つけて読了。
で、何気に広告ページを見ていたら、なんと「天の星 なでし子物語」が発売されている。むむむ、これも読まなければ全てが繋がらないないような話みたい。なかなか、素晴らしい流れ・・・かも!?待ち遠しいと思える1冊がまた増えた!!





![([い]4-3)なでし子物語 (ポプラ文庫) ([い]4-3)なでし子物語 (ポプラ文庫)](https://m.media-amazon.com/images/I/51WzzjZkNCL._SL500_.jpg)

