老後マネー戦略家族!:松村美香著のレビューです。
老後に必要なものはお金?それとも・・・
マネー戦略ってことで、老後に向けてガシガシと計画を立てて突き進む系を想像していたけど、最終的にはどちらかというとメンタル面や生き甲斐のほうがお金よりももっと大事・・・と言った形で話がまとまった感があります。
50代の夫婦と二人の子供というよくある日本の家族をモデルにお金に関する話が繰り広げられる。
夫はサラリーマン、妻は専業主婦。息子は入社した会社でうつ病を発症、会社を退職して現在ニート。娘は学生で将来の仕事を模索中。そこに来て自分たちの老後資金や両親の介護問題など、金銭的にもいろいろ厳しい状態を改めて感じた家族。
親も子もある意味節目を迎え、さぁこれからどう生きようという流れの中で、夫は海外の仕事、妻はコンビニでのバイト、息子は自分探しともいえる職探し、娘は様々な経験をもつ人々から現実を学ぶ。
投資の種類や方法、公的機関の利用、節税等々、要所要所に情報を交えながら物語は進む。が、特にお得な情報的なものはなく、一般的に広く知られてるものなので、多くを期待すると拍子抜けするかも。
老後はお金も大事だけれども、人や社会とのつながりを切らさず、心豊かに過ごすことのほうが大事。そして自己肯定感を持とう。若い人も、自分に遣り甲斐を感じる仕事が幸せだよ。ということに気づかせる感のある内容でした。
これらのことは人生後半にもなれば、ほとんどの人は気づいていることで、欲を言えばそこからどうお金と向き合うのか知りたかったなぁと。
もしかしたら、本書は老後が迫った人よりも、老後をまだ意識しない年齢の人向けなのかな?と思った。