土佐日記:紀貫之のレビューです。
土佐日記(全) (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)
- 作者: 紀貫之,西山秀人
- 出版社/メーカー: 角川学芸出版
- 発売日: 2007/08/01
- メディア: 文庫
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◆紀貫之さんはきっと楽しい人だったんだろうな。
「男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり。」
ようやく、あの有名な大歌人・紀貫之の「土佐日記」に辿りつきました。
紀貫之氏が侍女になりきって書いたと言う旅日記なのですが、これまで女性達の書いた日記を読んで来た私には「ちょっとー、バリバリ男が書いているじゃない!」と、思わず笑ってしまう。
どこをどうと言われると難しいのですが、女性特有のもしかしたら女性にしか解らない感覚というか、感情表現っていうのかな…そういうのがあまりなく、どちらかと言えばきっちりした男性が旅の「記録」をしているなといった印象。
もちろん、紀貫之氏もあくまでも遊びで、バレないようにしようなど思っていなかったはずです。だから余計にこの人はお茶目だなぁと、好感が持てます。
和歌もふんだんに取り込まれていますが、和歌に関しての知識がないので上手く感想は言えませんが、大勢の人を魅了するものがきっとあるのだろう…と感じさせられます。
さて、内容は4年の国司の任期を終え高知から京都へ戻る船旅の様子を綴った日記です。解説の方も言っていますが、もし、平安時代にインターネットがあったら、紀貫之は「土佐日記」をブログで公開していたことでしょうと。
そう思います。きっちりマメに更新していくタイプですね。しかも女性になりきって。
約55日。悪天候による足止め、自己中心的な楫取り、海賊の恐怖、船酔い等々、高知から京都へ行くことがどれだけ遠い道のりであったのか。特に鳴門海峡あたりの難所は、楫取りの腕次第。常に神に祈っている人々。神にもすがりたくなる感じがすごく解ります。
そんな中でも紀貫之氏は駄洒落を連発している。オヤジギャグの元祖でしょうか。
解説とともに読んでみました、イマイチ…理解できず。
まぁ、現代でもオヤジギャグ的なものはこのイマイチ感が特徴ですから、共通ですね。というか、女になりすましていた割に、こんなオヤジ的な部分を丸出しにする…。分かり易い性格というかお茶目ですよね。
さて、いよいよ、旅も終わります。
京へ戻った夫婦の亡くなった娘への想いが痛いほど伝わって来るシーン。今までの厳しい航海の様子とうって変わって静かに読者の心に沁み入って来ます。
やはりなんだかんだ言っても、最後はきっちり印象づけるあたりは流石!紀貫之! 面白いぞ!紀貫之!



