老後の資金がありません:垣谷美雨著のレビューです。
結局、老後の資金はいくら必要なんだ??
結局、老後っていくら蓄えがあれば安心した生活が送れるのだろう?この小説を読めば何かいいヒントが得られるだろうか?と思い手にした。結論から言えばあくまでも小説であった。ハウツゥ本ではないので具体的なことは書かれてはいない。
主人公は50代のパート兼業の主婦。子供は二人居て、娘は近々結婚、息子は就職して家を出る。子育てがほぼ終了し夫と二人暮らしになる予定だったが・・・。
娘の派手婚の資金、親の葬式代等々出費がかさみ、この時期にきて貯金があっと言う間に底をつく。そこに来て、夫のリストラ、妻までもパート切りにという夫婦ともども職を失うという凄まじい展開へ。頼みの綱であった退職金までも消えてしまう。夫の親への仕送りが月9万。もう払える状態ではないことを渋々告げ、義母との同居生活を開始する。
一方、いいとこに嫁に行った娘が夫からDVを受けているのではないかという疑惑も浮上。・・・と言った具合に、問題が山積みの家族。
本書の面白さは会話が妙にリアルであること。個々の発言がいかにもありそうーと感じさせられるシーンも多くイライラ、ムカムカと感情を揺さぶられます。
また意外にも姑が家計のために一肌脱いでくれるのだが、それが年金詐欺の片棒を担ぐものであったりと、「ちょっとそれはやりすぎじゃね?」感もあるけれど、現代社会の問題をきっちり組み込んできている。
最終的にはどの問題もうまい具合にパタパタと収まっていく。しかし、夫の再就職は決まったものの老後の資金問題は解決したわけでもない。明るい雰囲気で終わってはいるけれど、不安が解消されたわけじゃないんだよなーと深いため息が思わず出てしまった。
なんとかなるさ・・・という精神を養わなければ、やっぱり老後の不安は拭えないなと、現実問題に戻り、後ろ向きな読後感をズルズル引きずっています(笑)






