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うずまきぐ~るぐる 

*** 新しい本との出合いがきっとある★書評ブログ ****

【レビュー】月夜の散歩:角田光代

 

 

月夜の散歩:角田光代著のレビューです。

 

月夜の散歩 (ORANGE PAGE BOOKS)

月夜の散歩 (ORANGE PAGE BOOKS)

 

 

 

◆テレパシー会話、使えますか?

 

 

「オレンジページ」に連載中のエッセイをまとめた本です。
表紙、そして中にもちょこちょこ登場するトトはん。
すっかり角田さんのお仕事の宣伝猫?としても活躍中!

日常だなぁ~
あんまり代わり映えしない毎日だと思っていても、
ちょっとずついろんなことが変わって行ったり、
昔の出来事を愛おしく感じるようになったり。
よちよち歩きの日々の変化こそが日常なんだと
感じさせられたエッセイの数々でした。

食、人、暮らし、時代に括られ、
各エッセイの最後にちっちゃなスナップ写真が載せてある。

この写真がほぼトトはんと食べ物なんですけど、白黒なので、
猫画像は別として、食べ物に関してはとても気だるい。
美味しそうに見えないところがちょっと笑えます。

何度作っても上手くいかない料理とか、
「光り輝く総菜屋」なんてタイトルは、なんだろ?なんだろ?と
好奇心をそそられる。

「そこだけケチ」は、クスクス笑いながらも大いに共感。
フリーザーバッグ、洗って再利用しちゃう人とかいますよね。←わたし
特殊に働くケチ感情っていろいろなパターンがあって面白い。

そして今回一番親近感を覚えたのはテレパシー会話。
「ほら、あの」で、会話が進んでしまうというある年齢を境に
出来るようになる会話です(笑)

「あの人」や「あの時」など特定されなくても
きちんと会話が成立してしまうというあれです。

テレパシー会話、若い時には皆無だったみなさんも、
心当たりありませんか?

角田さんは言う。

年齢とともに私たちはこのすばらしき能力を手に入れ、
立派に育てているのである。


「神楽坂のあそこ」と言われ、相手と同じ風景を
思い浮かべたらもう立派なテレパシー会話!

そう捉えるとなんだか若者にない能力を身につけた気になり
もの忘れもまんざらでもない。

最後に「深夜家食堂」はとても愛おしい深夜料理の
楽しさが詰まった話で好きだなぁ。

ということで、ラストはトトはんのサービスショットが連続で!
角田さんも登場し、お家の風景がほんわか温かい。