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【レビュー・あらすじ・感想】変態 紙礫 7:平山瑞穂

 

 

 変態 紙礫 7;平山瑞穂のレビューです。

変態 (紙礫)

変態 (紙礫)

 

 

感想:これぞ変態の極みかも?!

 

 

こってり、変態君、変態ちゃんの話かな?なんて思っていましたが、ずっしり読み込めるものが多かったと思います。

 

「犬」中勘助

「東京日記(その八)」内田百閒

「富美子の足」谷崎潤一郎

「彼等[THEY]」稲垣足穂

「合掌」川端康成

「果実」平山瑞穂

「夢鬼」蘭郁二郎

 

平山瑞穂氏が編集したアンソロジーで、誰とは言わないですが、変態には欠かせない作家から平山氏ご自身の作品まで含まれた面白いラインナップ。

 

ちょうど忙しかった時期に図書館から回って来てしまい、かなり駆け足で読んでしまったのが悔やまれる。

 

それでも蘭郁二郎氏の「夢鬼」は読めて本当に良かった。名前すら知らなかった作家ですがこれはちょっとみっけものをしたなーといった気分です。

 

あの谷崎の変態っぷりが、今回はちょっと霞んだくらい、この作品はインパクトが強かったです。

 

 

 

 

そんなこんなで荒い読書だったので書評は控えようと思ったのですが、蘭郁二郎氏の名前を憶えておくためにも敢えてPCに向かった次第です。

 

美少女・葉子と醜い内気な少年・黒吉は、曲馬団というサーカスで働く子供。最初のうちは黒吉が葉子の食べかけの煎餅をこっそり舐めて興奮しているとか、雑魚寝している葉子にキスをしてしまったとか、その程度の内容だったのですが、やがて二人が愛し合うようになると転げ落ちるように話が展開する。

 

空中ブランコ、そこで発揮する黒吉の特殊能力。葉子のサディスティックな行動と、二人の異常な愛。そして事故。やがて葉子は黒吉を捨て東京へ消えてしまうのだが・・・。

 

時が過ぎ大人になった二人は各々の生活があったわけだが、再会したことにより、黒吉の葉子への想いが再燃し、彼女へどこまでも執着し、どんどん怪しい雲行きが垂れこめる。

 

最終的に黒吉が選んだ幸せとは?これがもうね、壮絶で言葉を失うなんてもんじゃなかった。

 

そうか、ここまで突き抜けるからこそ「変態」と言えるのか。ちょっと普通に生きてたら思いもつかない閉幕とも開幕ともいえるラスト。

 

・・・このアンソロ―ジーのタイトルなんてすっかり忘れて読んでいたけど、これこそ変態の極みなのかも?と後から実感。先に書いたが、このラストと作者の死がなんだか繋がっているような気がして背筋がゾクゾクした。

 

ということで、あまり知られていない作家だと思いますが、本書を通じて知ることが出来て良かったです。

 

文体はさらりとしていますが、内容は濃ゆい!蘭郁二郎という名前をきっちり胸に刻んでおこう。

 

紙礫シリーズはこういう思わぬ出合いがあるから、ついつい手が伸びてしまうのです。

このシリーズを読むのは4冊目であるのですが、どの作品も明るくはないが、雰囲気のある話が多い。読後感のザラっとした感じが共通している・・・と思うのは気のせいかな?

 

 

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