うずまきぐ~るぐる 

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【レビュー】いろは匂へど:瀧羽麻子

いろは匂へど: 瀧羽麻子著のレビューです。

いろは匂へど

いろは匂へど

 

 

 <<本が好き!の献本です。>>

 

京都の街を行ったり来たり~恋する気持ちも行ったり来たり~

 

魔性の女と言えば蒼井優ちゃんのような女性像が浮かぶんだけど、
魔性の男は?って言われるとパッと思い浮かばない。

 

けど、女性を吸い寄せる男性も確かにいる。
本書に出てくる光山という中年男もそんな一人なのだろうか?

 

小さな和食器のお店を営む30代の紫。
人との関わりが苦手な彼女は、京都という町で独り気ままに生きていたのだが、気乗りしないパーティーに出席したことにより、年上の草木染物の職人・光山と出逢う。

 

やがて彼は紫に接近してくるのだが、どうも光山は訳ありの男性のようだ。
それゆえ、紫はまっすぐ恋に突き進めない。恋愛の始まりを描いた小説と言えるのだけど、トキメキ不足なのは私の心持ちなのかな~。

 

この小説で光山は「人たらし」と言われていたが、良い意味でも、悪い意味でも、いまいち「人たらし」という言葉と光山が私の中で繋がらず…。つまり光山の魅力が伝わってこなかったのが残念だ。

 

昔のフィアンセが出入りしているというのも妙だし、なんとなく登場する人々みんながみんな、中途半端にふわふわした雰囲気。いい年した男女がする恋愛にしては、ちょっと幼すぎる感が拭えない。

 

ということで、恋愛小説なのに恋愛を描いた部分にトキメや共感度が(個人的に)少なくてなんではありますが、唯一、指をくわえたくなったのは30代で小さくてもこんなお店が持てた紫が羨ましい。好きなものに囲まれた雰囲気の良さそうなお店、しかも京都。いいなぁーと。

 

あと、忘れちゃいけないのは常連客のアメリカ人・ブライアンの存在。ちょっとヤキモチ焼きだけど、かわいいじゃないですか。紫の入院という緊急事態に、常に寄り添っていてくれたのはブライアン。「悪いことは言わないから、ブライアンを大切にしなさいね。」と、近所のおばちゃん感覚で言いいたくなってしまうわけだけど。

 

追えば逃げる、逃げれば追う
見え隠れする女の影
専門的な仕事に対する姿

 

このあたりなのかな~紫ちゃんが光山に惹かれているのは。と、分析しても仕方がないのですが、いずれにせよ、ひとりでも生きていけると思っていた紫の気持ちが、人との関わりの中でどんどん外に向いて、ひと周り大きくなったように見受けられたのは良かった。

 

ということで、この本、20代に読んでいたら、もっと違う感想を持てたんじゃないかとも思う。こんな余計な分析もせず、ストレートに読めた気がします。