カラー版 世界の四大花園を行く:野村哲也著のレビューです。

カラー版 世界の四大花園を行く―砂漠が生み出す奇跡 (中公新書 2182)
- 作者: 野村哲也
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2012/09/24
- メディア: 新書
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感想 1年のうちでほんのわずかな時間にしか会えない花を求めて世界を歩く
いろんな風景写真を見てきましたが、これは今までとはちょっと違う。
その圧倒され具合が、ただ見て感動するのとちょっと違う不思議な体験だった。こんなにも花にロマンを感じたことはなかったです。
そして、こんなに驚くことを通り越してしまうほどの美しい場所が私たちの生きている世界に存在しているのかと思うと本当にわくわくします。
想像してみてください。
果てしなく広がる砂漠に、突如出現する大きな大きな花園を。
えっ、砂漠に花園?ですよね。
雨季のわずかな時間にしか現れない花園。ペルーの場合は、海から霧が発生し、雨も降ります。なんでも、遥か大昔から地中には種が眠っていて、やがて水分を蓄え花が咲くとのこと。
ずっといつ咲こうか?とその機会を待っている花たち。植物の生命力の強さを感じずにはいられません。
本書は
・海霧が作る花園のペルー共和国
・南北600キロの花街道が続く南アフリカ
・キュートなリースフラワーの咲くオーストラリア連邦
・幻の巨大花園のチリ共和国
が、取り上げられています。どれもこれも、言葉を失うものばかり。1ページ目から、砂漠時と花園時との違いを掲載されているのですが、しばらく呆然としました。多分、本物見たら、「花酔い」しちゃうだろうなぁ。
まぁ、私がぐだぐだ話すより、この本を手にしてもらった方が、何億倍も感動が出来ると思います。
1年のうちでのほんのわずかな時間にしか会えない花を求めて世界を歩く筆者はある意味、冒険家のようにも私には思える。
あとがきには、2011年~腰を据えて花園を撮り続けたいと南アフリカに移住されたとのことですから、この先も色々な花園の写真を私たちにも見せてくださることでしょう。
写真メインですが、読み物としても地球の呼吸がしっかり伝わって来る素晴らしい内容です。
足元に広がる大地には、無数の種子が次世代へ命の橋を
架けるため、今か今かと出番を待っている。
今度の春はいったいどんな花園が生まれ、地球の花束(フラワーリング)を作り上げるのだろう?(本書より)