シナの五にんきょうだい:クレール・H・ビショップ著のレビューです。
- 作者: クレール・H・ビショップ,クルト・ヴィーゼ,かわもとさぶろう
- 出版社/メーカー: 瑞雲舎
- 発売日: 1995/10/26
- メディア: 単行本
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◆今年も五にんのきょうだいに会いたくなって……
この装丁を見て「あっ!」と声が出そうになった方、結構いませんか?
私はこの絵本をもう何度も読んでいるのだけど、
この兄弟を見るたびに、「あっ!」と声を漏らし、
そして、ニンマリしちゃうのです。
とはいえ、心からこの絵本が面白いなぁーと楽しめるようになったのは
実は大人になってからであって、子供時代はとにかく不思議を通り越して
怖いジャンルという位置づけの本でした。
二色刷りのひょろ~とした挿し絵。
兄弟たちの表情もゆるゆるしているのに怖さを感じたのは、
やはりこの兄弟たちの特殊な身体と処刑されてしまうシーンに
ドキドキさせられるからだ。
特殊な身体とは…
1番目上の兄は海の水を飲み干せる
2番目は鉄の首を持っている
3番目はどこまでもどこまでも、足を伸ばすことが出来る
4番目は燃えない身体を持っている
5番目はいつまでも息が止められる
特に海の水を飲み干せるというお兄さんには、
何度読んでも単純に驚いてしまう。
水を飲んで、海の底が現れるシーンは、そりゃーもう
言葉にならない驚きが!
さて、あることで一番上の兄が処刑されるはめに…。
そんなピンチをこの5人は力を合わせて乗り切るのだが、
これらのシーンの行方にも再びドキドキさせられる。
何度も読みたくなり再読する絵本は結構あるのだけれど、
何度も同じシーンで新鮮に驚かされる絵本は私の中で
コレが最強だなぁ~。
今年の夏もこの五にんに再会し、「無敵」な気分になったのも
相変わらずの私。
何歳になっても、こいう本を手にすると、わぁーっと一瞬にして
「子供時代の自分の気配」が感じられる世界に戻れちゃうのも、
またいいんですよねぇ。