更年期少女:真梨幸子著のレビューです。
◆二度目の思春期を迎えた彼女たちの暴走は…。
往年の人気少女漫画「青い瞳のジャンヌ」を愛する中年女性たちの話なのですが、
なんかねぇ…現実逃避というか、ちょっとイタイんですよ。この話。
インターネットのファンサイトでお互い知り合い、池袋で定例会なるものを
美味しい料理を食べながら集う「青い六人会」のメンバーたち。
ガブリエルやエミリーなど、ネットのハンドルネームで呼び合いながら
親交を深めている。
縦髪ロールにフリフリの洋服、高価な食事。
一見、楽しそうに見えるこの会も、一歩離れてみると
各々がお互いの不満や気にくわないことだらけ。
そして、現実の生活も、夫のDVあり、親の介護あり、
子供のひきこもりありと、この年代にいかにも起こりそうな
問題があちこちで勃発しています。
そこにさらに起きる突然のメンバーの失踪、事故死、腐乱死体発見等、
不可解な事件の連続。なっ、なんなんだ、一体?
「ジャンヌの呪い」って!
…と、「うぎゃーーー」と叫びたくなるほど、嫌なことばかりが
次から次へと降り注ぐ。薄気味悪いし、読むのを止めればと思うのだけど、
そういうわけにはいかない面白さが確実にあるんです。
最後に来てこれまた、「ええええっ!そうだったのか」と。
このサプライズは最後まで読まないと味わえないので、途中放棄は
もったいないですよ~。
こういう後味の悪い推理小説を「イヤミス」って言うんですってね。
なんかもうこの略した言葉といい、響きといい、厭な感じだなぁ。
すごい閉塞感があったし、泥の中にズボズボハマって行くような
嫌な雰囲気が終始あるのですが、どうしても目が離せなくって…。
全体的には会話が多く占め、スラスラ読めます。
が、しかし、この話、実名とHNという一人の人物について二通りの名前を
使っていくので、ちょっとヤヤコシイ。これが私のネックになり、眠い時に
読んでいた私は混乱しっぱなし。
ふぅ…。現実は小説よりマシなはず…と救いを求めたくなったなぁ…。
で、なんと、「みんな邪魔」という題名に改題?装丁ともに変わってるけど…
「更年期少女」の方がインパクトあるけどなぁ。
uzumaki-guruguru.hatenablog.com
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