ファミリー・ポートレート―犬小屋を持たない犬とニューヨーカーたちの物語
のレビューです。
ファミリー・ポートレート―犬小屋を持たない犬とニューヨーカーたちの物語
- 作者: 田中弘子,田中靖夫
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1995/02
- メディア: 大型本
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感想
犬を愛するニューヨーカーの毎日
ひと昔前に比べると、日本でも随分「犬」を飼う人が増えた。
というか、正しくは室内で飼う人が増えた気がします。
なんとなく自分が生まれた時代は「犬は喜び、庭駆け回り~♪」のイメージで犬=庭の図式があるのですけど、今はマンションでも普通に飼えますものね。
しかも、職を持ったひとり暮らしの人でも気軽に飼っていることを知った時、結構びっくりしました。留守中大丈夫なの~~?と。
さて、場所はニューヨーク。映画のシーンでもよく見ますが、犬を飼っている人がとても多い街。東京同様、こちらも家賃が高いし、部屋は広いとは言えない住環境。それでも、犬は大切なパートナーとして、彼らの生活には必要な存在です。
本書はそんなニューヨークで、様々な人々の人生と、飼っている「犬」との優しい関係を、まるで街頭インタービューを聞くような感じで楽しめます。
愛犬との出会いからはじまり、仕事や家族について、思うままに語るニューヨ―カ―の素顔が見られます。
飼っている方は誰もがそうだと思うのですが、犬たちとは家族であり、ひいては人生の大部分を占める存在だったりすることが、本書を読んでいるとヒシヒシと伝わって来ます。
英語では「飼う」という言葉がないそうです。
使うなら「have」を使うということを筆者は指摘していました。
「私は子供が2人います」と同じように用いるとのことで、なるほどなぁ~と。
日に2-3度の散歩。中には仕事中も一緒の人も居ました。働きながら日に三度。ん~~結構ハードな生活ですが、一心同体の生活を心から愉しんでいる人々。羨ましいです。
愛犬と居る喜びが、あちこちから溢れ出ている素敵な1冊。
洋書っぽい絵も素敵です!