作家のお菓子 コロナブックス編集部のレビューです。
一番の甘いもの好きはだーれだ?
作家の○○的な本はどんなパターンでも興味深く読めるわけですが、今回のテーマは「お菓子」ということで、読む前からかなりテンション高めです。
今回は読むにあたってどの家にお呼ばれしたいか?どの家の子供になりたいか?
なんて勝手な妄想を膨らませめくるページの楽しさと言ったら!
どのページにもたっぷりお菓子の写真が掲載されている。エピソードはその作家の近くにいた人々が綴ったもので、お菓子を囲む当時の楽しい時間が浮かび上がってくるような話が多い。なかには作家の書斎や家の中を撮ったものもあり、そこだけ時が止まっているようなもの寂しさを感じさせられる場面にも出合った。
本書の中で一番の食いしん坊を選ぶとすれば、私は水木しげるさんだ。水木プロダクションでは毎日3時になるとスタッフ全員が集まり、おやつを食べる習慣があるという。
ガリガリ君からちもとの八雲もち、サバラン、シュークリームなどバラエティ豊かな安定したラインナップ。
水木さんのお菓子に対する様子は思わず笑ってしまった。話をしている時にお菓子とお茶が運ばれ、お菓子が目に入るやいなや、大福なり饅頭なり、目立つものに突進した。そして目標物を鷲掴みにしたかと思うと、猛スピードで口に収めて食べてしまったという。まさに肉食系甘味食い!ガリガリ君を食べる水木さんのお写真はほぼ妖怪でした(笑)
紹介されているお菓子は和菓子が多めかなと。個人的には甘いもの好きですが意外にも和菓子に苦手なものもが多いので、お呼ばれするなら岸田衿子さんち。
それとお宅拝見を含め伺いたいのは超セレブな朝吹登水子さんの軽井沢の別荘です。この夏に朝吹一族の本を読んであまりのセレブっぷりにめまいがしたのですが、
まさにその別荘でいただくお菓子は、雰囲気を含めてきっと素晴らしいことでしょう。
あと、すごくうれしかったのは、ショコラティエ・エリカのミントチョコ。実はわたし、ミント系が苦手でミントチョコなんてとんでもないなんて思っていたのですが、知人からここのチョコをいただき食べたらこれがもう。「今まで食べたミントチョコはなんだったのか?」と思ったほど美味しいのです。今でもミントチョコは苦手ですが、ここのだけは率先して食べます(笑)そんな自分の思い入れの強い葉っぱ型のミントが石元泰博氏の「妻のチョコレート」として掲載されていました。
さて最後に、どこの子供になりたいか?って。そりゃー谷崎先生のとこですわ(笑)
ちなみに表紙のお菓子もおっちゃんの好きなケーキ。グルメな谷崎の美味しいものへの情熱はお菓子だって手を抜かず。和菓子も「空也」の最中とか中津川の「すや」とか嬉しい名前が登場。三木製菓の「ネコの舌」はおっちゃんの「ネコ萌え談義」などを聞きながら一緒に食べてみたいものです。
ということで、お菓子三昧な1冊。時代が時代ということもあって、今のような華やかなお菓子というより、「昔ながらの」といったものが多い。「今も変わらぬ味」として、あの頃の作家たちと同じお菓子を食べられることはなんて贅沢なことだろう。
書評を1本書き終えると甘いものが欲しくなる。多くの作家たちがそうであったように「書く」という行為は甘いものを欲する・・・というのは生理現象なのだろう、きっと。・・・と言い訳しつつ(以下省略)






