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【レビュー】馬琴の嫁:群ようこ

馬琴の嫁:群ようこ著のレビューです。

馬琴の嫁 (講談社文庫)

馬琴の嫁 (講談社文庫)

 

 

「南総里見八犬伝」の裏舞台

馬琴の嫁とは、馬琴の妻のことではなく、一人息子に嫁入りした長男の嫁「てつ」のことです。

 

作家の妻の話は結構多いけど、わざわざ息子の嫁のことを取り上げる話なんて滅多にない。それだけに、なにか馬琴との関わりに普通じゃないものがあるのだなと思い、たいして瀧澤馬琴のことも知らないのに好奇心が止まりません。

 

さて、いろんな想像しながら突入していったのですが、「あら、大変なところに嫁いでしまったわね」と、さっそく同情の嵐。結婚早々に親戚に同じ名前の者が居ると「みち」という名に改名させられる嫁。

 

なにせこの瀧澤家、
「この家に入るものは、塵ひとつとて馬琴の目を通さなければならない」という何事もチェックの厳しいとても面倒な家なのです。

 

そして姑は癇症持ちでつねにイライラしているし、夫は常に病気。医者なのにずっと体の調子が悪く寝込んでばかりです。なので、ここの家には手伝いをする女中が必要ですが、やっと見つけた女中もあっと言う間に辞めてしまい、結局その負担がこの嫁にさらに重くのしかかってくるのです。

 

話はこの気難しい馬琴の相手、姑のイライラや八つ当たりに手こずり、毎日の夫の看病という永遠に終わりそうもない生活パターンの繰り返しを記し、それほど変化のない内容なんです。

 

しかし、実家と瀧澤家の違いや、少しずつこの嫁の存在が大きくなり、いかに瀧澤家を助け、馬琴に認められるようになったか…そんな様子に引き込まれます。

 

このお嫁さん、苦労続きだったわけですが、唯一の希望は占い師に言われた「後世、感謝される」という言葉。私もこの言葉を頼りに、いつこの嫁の努力が報われるのかと、
静かに見守りながら一家の行方を見ていました。

 

さぁ、いよいよ馬琴の晩年へと時は流れます。
読み書きもままならない彼女が、目が不自由になってきた馬琴の代筆を任されます。

 

それが「南総里見八犬伝」というわけです。

 

おそらく、この嫁なくしては作品は完成しなかったことでしょう。
「後世、感謝される」という言葉はそういう意味だったのですね。

 

特にものすごく感動するとか、心を持って行かれるような話ではないのですが、いつまでも心に残る話ではありました。

 

決して表舞台に出なかった存在ですが、「八犬伝」を世に送り出した一人としての功績は、果てしなく大きなものであります。

 

そして、たびたび登場する「猫」。
この猫の存在感ももうひとつの見どころでもありますので、読む方は猫チェックもお忘れなく!

 

 

 

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