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【レビュー】東京會舘とわたし(上)旧館 : 辻村深月

東京會舘とわたし(上)旧館 : 辻村深月著のレビューです。

東京會舘とわたし(上)旧館

東京會舘とわたし(上)旧館

 

 

 

日本の歴史とともに歩む東京會舘の物語

 

東京會舘に今すぐ行きたい!
上巻を読み終わるころ、私は猛烈に「東京會舘」への愛おしい思いが止まらない状況へ陥ってしまったのです。

 

東京會舘は皇居の近くにあり、存在感のある建物として有名です。
フランス料理、宴会、結婚式場として現在でも人気がある。
また、芥川賞や直木賞などの会見でも利用されている。

 

とは言え、そういう機会がないとなかなか行かない場所でもあるわけで、私などはお土産用のお菓子くらいしか縁がない。ですが、この本を読んで必ずマロンシャンテリーは食べに行くのだ!と心に誓ったのです。

 

本書上巻では大正12年から昭和39年までの東京會舘の風景を、時間を少しずつ進めながら綴られている。

 

歴史ある建物、そこで働く人々。
受け継がれるそのものだけが持つ個性や伝統の味。
そこへ色を加えてゆく利用者たち。
それらすべてが合わさり物語が生まれる。

 

遠い昔のバイオリンの演奏会、灯火管制下の結婚式、カクテルの誕生、持ち帰りのできるお菓子の誕生。じわじわ心が熱くなる話が多く、そのひとつひとつの場面が今ある東京會舘を作ってきたのかと思うと感極まるものがある。

 

大東亜会館、GHQ時代のアメリカン・クラブ、ユニオン・クラブ。
東京會舘はその時代時代によって名を変え、役目を変え、昭和27年、接収の解除により東京會館は再び戻って来る。これを機に「館」から「舘」という新しい文字にして再出発した。

 

ひとつの建物がこんなにも様々な形で利用されていたこと自体異例だと思うのですが、それだけ東京會舘は日本の歴史とともにあったものと言える。

 

また、東京會舘は帝国ホテルやパレスホテルとのゆかりも深く働く人々の異動もかなり激しかったようだ。

 

そんな中でも「東京會舘」という名前を守り通し、中で働く人々の凛とした姿勢や結びつきを見るにつけ、何度も感動させられた。

 

さて、どうやら下巻は私も生まれ、知っている時代に突入しているようだ。
上下セットで借りなかった自分を悔やみます。

 

 

嗚呼、建て替え前に一度行きたかったな~~。

 

 

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