平成着物図鑑:君野倫子著のレビューです。
着物と昭和の小物たち満載!
先日古本屋さんで本棚を眺めていたら、横になんとなくボリュームある質感のものを着ている人の気配を感じ、横目でチラ見すると、そこに、ビシッと和服を粋に着こなした殿方が!
古本屋の少し埃っぽいシチュエーションとその佇まいがマッチしていて、なかなか風情ある空間に早変わりし、気持ちが浮き立ちました。
成人式に張り切って白い袴とか着ちゃう男子と違い、こちらは深いこだわりがあって着ているのでしょうね。ジワジワと「着物男子」が今後も増えて行きそうな予感です。
ボロ市でも「すごい人だかり!」ってところは古い着物や手ぬぐいの店。
改めて古き良き時代のものが見直されているのだなぁーと感じます。
本書は自然体着物生活を実践している君野さんの写真満載の一冊。小難しいことは抜きにして・・・ということで、着物を通して広がっていく世界を目で愉しませてくれるワクワク本です。
構成は着物にまつわるあれこれを「あいうえお」順に取り上げていきます。着物はもちろん、その周辺の小物がふんだんにところ狭しと掲載されています。
次は何が来るか・・・まるで君野さんの引き出しを次々開けていくような感覚です。
また、帯の結び方、たすきの掛け方が写真で図解されていたり、一般の方の街角スナップや、ショップ情報など、細かく細かく、みっちり、みっちりといった雰囲気です!
「へぇーこういうのがあるんだ」「わっ、これお婆ちゃんちにあった!懐かし~」と、
思わぬ物と再会したり、「これってどこで売っているんだろ」と、ネット検索しながら読んでいたので返却期間が迫っているにもかかわらず、なかなか先に進めない・・・ということもありましたが、なんだかとっても楽しい時間でした。
君野さんの本はお茶目な雰囲気と気軽に読めるところが最大の魅力だと思います。
着物を着ない方でも十分愉しめる1冊ですよ。