やんごとなき姫君たちのトイレ:桐生操著のレビューです。
TOTO出版と姫君のトイレ…すごい組み合わせにまず感動!
江戸時代のトイレやお風呂の本を読んできて、ふと海外のこれらの状況は一体どんなものだったのか?と気になって探し出したのがこの1冊。
あの水まわりで有名なTOTOさんの出版だし、なんか信憑性ありそうな情報がいただけそうな予感。
桐生 操さんは「本当は恐ろしいグリム童話」などをはじめ数多くの本を出版。
ヨーロッパの歴史と文化に造詣が深いということで、内容的にも、細かい話がたくさん登場します。
てっきりトイレの話だけだと思ったのですが、お風呂、下着、化粧などと幅広く取り上げられ、どこを読んでも面白かったです。
さて、日本も西洋も昔はやはりトイレ事情はあまりよろしくなかった。
ヨーロッパへ旅行に行って、お城見学をして優雅な庭園にうっとり…通常ならそんな気分に浸れますが、この本を読んでしまうと、庭園を見渡し「このあたりか?トイレスポットは…」など、どこだどこだと探偵めいたことを始めてしまいそうです。
西洋の話の間に、我が国お江戸のおトイレの話も混じっていました。
驚いたことに「音姫」のはしりなるものが登場してました。
「土瓶」と「土まんじゅう」…
日本人は昔から音を気にする民族なんですねぇ。
そして個人的に興味が持てたのは16世紀のスペインのイザベラ女王の話。
戦に勝つまで下着は替えないと神へ誓う。
戦は長引き、結局、なんと5年も替えなかったという。
ひぇーーこれこそ「勝負下着」じゃないですかー。当時は下着を替えないことが一種の美徳と言われたらしいですからわからないもんです。
昔の西洋文化にほとんど触れて来なかった私。歴史がどうのこうのといった難しい話は抜きで、面白いと思わせてくれ、助かりました。
しかし、これを読み終わってまた江戸の人々がジワジワ気になりだしました。
やんごとなき姫君の…はシリーズものみたいですね。
食卓、寝室、結婚、不倫等々、色々あるようです。
機会があれば読んでみたいと思います。