バカ昔ばなし:五月女ケイ子 ・細川徹著のレビューです。
五月女ケイ子さんの見ているだけで顔の筋肉がゆるむ絵とともに
覗く世界はどれもこれも悶絶状態。
非常に印象に残ったのは、タイトルからしてなんですが…「8個のキンタマ」。
いわば人間のはじまりを描いたものなのですが、アホだなぁ~と思いつつ、
「これが人間のはじまりだよ」と、もし言われたら「そうだったのか」と
思わず納得してしまいそうな自分がいます。
※一応乙女ですので、一部伏字にてお送りします。(笑)
神様が生まれたお祝に人間に与えたものは8個の××タマ。
もう、この絵がねぇ…大雑把なんですけど、ふき出さずにはいられません。
バナナというかブドウの房?がユサユサとぶら下がっています。
これは本当に困った時に使いなさいという神様からの言いつけがあったのに、
この人はくだらないことに使っていきます。
そしてついに残りが1個になってしまった時に、この人は体のバランスを崩し
右にしか行けなくなるのです。
そこで再度この人は神様に「もう8個××タマが欲しい」と言うが、
あいにく在庫がない。困った神様が出した結論は…。
私はこの話を単なるバカだなぁーという話ではないものを感じました。
人間は男と女が居て初めてバランスが取れた生活が出来るのだと言うこと。
そして、××タマは何故男にはあって、女にはないのか?という永遠の疑問。
ネタバレしそうなので途中割愛しましたが、
男と女の深いテーマがこの話には横たわっている気がしたのです。
「古事記」に通ずる雰囲気がこの話にはありました。
その他、桃太郎の話は「龍角散」が鍵になったり、
森公美子さんの名前が思わぬところで登場したりと、
楽しい仕上がりになっています。
「バカ昔ばなし~その弐~」もあるそうなので、
また読んでみようと思います。