コーリング 闇からの声:柳原慧著のレビューです。
整形や狂牛病、扇風機おばさんなど思わぬところへ話が流れに流れ・・・
うわうわうわうわーーのっけからめくるめくグロイシーンにあたふたして
読み始めたわけだが、なんだかそのあとは本の閉じ時が解らなくなってしまい
結局、猛ダッシュで最後まで突っ走った!!という読書でした。
長距離走というより短距離走。
これはたらたら読むより一気に行ったほうが断然良いのではないかな?
さて、内容は一人の若い女性の不審死の真相を探ってゆくものだ。
ことの発端は、「特殊清掃員」である二人の男が、風呂場でドロドロに溶けて
亡くなったという遺体の後処理をすることからはじまる。
現場には溶けた死体と一緒に、浴槽内からは携帯電話が。
霊感の強い主人公の男は、亡くなった女と見られる霊を見てしまう。
彼らはこの現場と関わったことにより、女の過去と死について探り始める。
生前彼女がやっていたSNSを頼りに知り合いを辿ってゆくと、
そこには驚愕な事実が!
SNSからはじまった手がかりが、いつの間にやら、整形や狂牛病
扇風機おばさんなど思わぬところへ話が流れに流れ、その気味悪さ
と言ったらない。そしてそこに絡みまくる人間関係の闇。
余所要所に出てくるグロいシーンに目をそむけたくなるものの、
清掃員の零と純也、そして協力者である人々が大変行動力があり、
真相にどんどん迫って行くというその前向きさがなんとも頼もしい。
重い内容であるにも関わらず、彼らのフットワークの軽さと
前向きさに幾分救われる。
ん~しっかし怖い。何が怖いかって・・・・
この小説に限っては1つに絞れないところがまたなんとも背筋が
ムズムズするわけだが、やはり人体に不自然なことをすると、
そのしっぺ返しが来た時のダメージが破壊的とでも言うのか・・・。
テンポよくめくるめく展開を堪能した一方、「特殊清掃員」についての仕事
に従事する方から見たらどうなのだろう?と細かいところが気になりつつも、
登場人物とともに真相を探ってゆく面白さがあり、まったくもって退屈させない
展開だなーと何度も思いながらの一気読みでした。
やぁ…駆け抜けた。やっと一息つけそうです。