お食辞解 :金田一秀穂著のレビューです。
居酒屋で聞くウンチク風味な話がてんこ盛り
チャッチャと料理が運ばれてくるような居酒屋さんに居る感じで、
次々と「食」に関するちょっとしたウンチクが飛んでくるテンポ良い一冊。
金田一ファミリーの先生だけあって、装丁、内容のレイアウトに至るまで
しっかり辞書風に!
「あ行」から順に様々な食べ物周辺のことが、ショートエッセイのように
綴られているのですが、やはり言語学者だけあって、類語など細かい部分の
言葉の違いが鋭く考察されている。
また、先生が国内・海外を問わず様々な場所で食してきたものについての
ちょっとした知識を、エピソードとともに紹介。中にはしっかりした
答えと言うより、金田一さんの感想程度で話が終わっているという
大雑把なものもある。
深く踏み込まないといったスタイルであろうと思われるので、
これはこれで読み易い。
例えば…【ちそう】
中国では「なまこ」以上のものが出るかどうかでわかるらしい。
コースの締めも重要で、最後に焼きそばが出るか、チャーハンが出るかでによって高級感が違うらしい。さらに……(続く)
と、言った具合で、じゃ、日本の場合は?と先生の私見に繋がって行く。
ひとつの項目は1ページ前後なのですが、ポツポツと新発見が楽しめます。
たまに「ねずみ」など出てきて((°◇°;) ゲッとなるのですが…。
全体的に知識豊富なおじさんが、おつまみをつまみながらウンチクを
語ってくれているといった雰囲気です。
冒頭で言った通りチャッチャと読んで、いつかぼんやり思い出す
といった感じですが、食関係の話はどんなに聞いても退屈することは
ないなぁーと、食いしん坊の暇つぶしにもってこいの本です!