嘘つきは恋のはじまり:メグキャボット著のレビューです。
うわはは!
まんまとアメリカの女子高校生の脳内に連れていかれました。
とにかく、ずっと頭の中は「キス・キス・キスーーーー!」でしたよ。
何度この文字に出会っただろうか?
ケイティ17歳。彼氏は学校で一番人気のセス。
しかも高校の強豪アメフトチームの選手。
誰もが羨む高校生活を送って居たケイティ。
しかし、ケイティはとにかくキスに弱い。おまけに嘘つき。
自分の気持ちに素直になれないことが災いし、嘘が肥大化して行き、
結局、問題を起こしてしまうのです。特に男性関係で。
10代のころ、アメリカの高校生はすごくおませで大人に見え
憧れたものだけど、今となってはこのような小説に出て来る
おませさんも、思わず目を細めて微笑んでしまう自分に
ちょっとどんより(笑)
でも、男前に迫られ、どんなシリアスな話をしていても、
頭の中は「キス」のことばかり考えてしまうティーンエイジ
というギラギラした感じは幾つになっても面白い。
ケイティはその典型。青春ど真ん中。
目の前にいる男性のあまりの格好よさに、つい、うかっりキスを
してしまいます。一体自分は誰が好きなのか…あの格好いい
彼氏のことは本当は好きではないのかも?と、堂々巡りの日々を
過ごします。
キス現場を友達に見られたりと、ハプニングはつきもの。
そのつど嘘をつき、嘘をついたことすら忘れてしまう始末。
このあたりは、ちょっと可愛いというかコメディです。
あらゆることがバレ、身辺整理をし、もう恋愛はしないとか、
修道女になるとか、自分をあらためて見つめ直すケイティ。
そしてようやく、自分にとって大事な人・ことが見え始めます。
で、で、ケイティの前に現れた人物は…
うんうん、これで良かったのだ。
素敵な第二章の始まりを感じさせられるハッピーエンドに
気持ちがパッと華やぎます。
男は顔が良くても、スポーツが出来ても、キスが上手くても、
それだけじゃ彼女は満足しない。
そのあたりをこの話は皮肉半分、面白く描かれています。
ハンサム男は後半、コテンパンに表現されちゃってます!
あ~ん、いいわねぇ。
何だかんだ言っても誰にするか選べる環境と、好きだ嫌いだ
ゴチャゴチャしながら、妙にテンション高めに過ごす日々。
もしこれが、日本の高校生の恋愛小説だったら、もっとしっとりとした
雰囲気だと思うのですが、こちらはアメリカ。なんかカラッカラした
陽気な雰囲気。そんな雰囲気に拍車をかけたい方、読む時のBGMは
きゃりーぱみゅぱみゅで…(笑)
たまには、こんな小説もありだなぁ。
「キスの嵐」に巻き込まれた時間だったけど。