第二の接吻―ザ・セカンド・キス:菊池寛著のレビューです。
久しぶり菊池寛の恋愛ドロドロ劇の作品を読みましたが面白いですねぇ。実際、こんなことはないだろう?と、ツッコミを入れつつ、「お―怖い怖い」とめくるめく展開にキャッキャ言いたくなるからいやになっちゃいます(笑)
そこの貴方。もし、たった一回の接吻で結婚を迫られたらどうしますか?現代ではあり得ない設定で、ちょっとしたホラーのような怖さを感じます。
政治家川辺宗太郎の家に孤児の身で引き取られた山内倭文子。同じく父なき後、川辺に面倒を見てもらった村川貞夫青年。この二人は惹かれ合うのですが、そこにこの家の美しい娘・京子が二人の仲を思う存分引き裂くという構図です。
京子は村川が好きで結婚も考えています。ある晩、暗闇のあずま屋で、村川は倭文子だと間違って京子に接吻をしてしまいます。これが悲劇のはじまりです。
これを機に京子は結婚を急ぎますが、村川はそれを断り、倭文子のことをひたすら思い続けるのですが、京子は結婚ができないと分かると、ありとあらゆる手段を使ってこの二人の仲を引き裂こうと陰謀を企みます。
気の弱い倭文子は何度も諦めますが、細々と繋がっている村川と倭文子。様々な人々を巻き込みながら、おいおい、人まで死んでしまう騒ぎに!
最終的に様々なことは京子の陰謀と分かり、二人は誤解も解けめでたし、めでたし…となるのかと思いきや…。
うわー、ちょっとーーという、ラスト。
ということで、これも大正14年朝日新聞に連載された幻の名著だそうです。
「金色夜叉」「婦系図」そして「第二の接吻」。最近読んだこれらすべて新聞小説ということですが、なんとなくパターンが見えてきました。
大衆小説といわれる作品は、このドタバタ具合と、ラストの「あーあ」というやるせない感じがどこか共通し、これぞ読者を惹きつける秘訣かもしれません。
連載ものということで、「次はどうなる?」という期待感を持たせる展開はどれも流石です。
まぁ、今で言うメロドラマ的展開と言うんでしょうかね。(メロドラマも死語かな…)ということで、京子の激しい陰謀は本当に憎らしいんだけど、目が離せなかったです。
それにしても、たった1度の接吻。しかも、相手を間違ったということから、こんなにも恐ろしい展開になるとは…。想像だにしませんでした。





