愛とゴシップの「平安女流日記」:川村裕子著のレビューです。
感想;おいしい部分をつまみ食い!
著書の川村裕子さんは武蔵野大学の教授。日記をこよなく愛し、古典の普及に力を注いでいる方らしい。いかに若い人たちに、これらの素晴らしい文学に興味を持ってもらえるか?そんなことを常に意識されて書かれた本だと言うことが伝わって来る内容。
とにかく取り上げられている項目は、女子が好きそうな部分ばかり。タイトル通り、恋愛やゴシップなどを現在と照らし合わせながら、「あぁ、昔でもこんなことがあったのかぁ~」と、楽しく興味が持てるようになっています。
ここで、ピックアップされている日記は
・枕草子
・紫式部日記
・和泉式部日記
・蜻蛉日記
・更級日記
どれも有名ですよね。でも、各日記の特徴をご存じの方は案外少ないと思うのです。なかなかきっかけがないとですよねぇ。
私は自分の頭の中で整理が出来ていないことより、ちょこちょことこれらを角川の「ビギナーズクラシックス」で読み比べ、やっと全ての内容が把握できたところです。そして、最後に本書に出会いました。よい復習になりました。
角川の方もかなりコンパクトにまとめられていますが、こちらはさらに女子の興味を持つ部分に絞った内容。私が角川で読んで楽しかった部分ばかりがまさにこの本にまとめられていました。(あとで知ったのですが、川村さん、ビギナーズの方も携わっていたようです)漫画チックな絵とともに恋愛シーンを面白おかしく、どこまでも軽いタッチで紹介してゆきます。
ということで、古典の日記を読むにあたってどれにしようか?と言う時に大変参考になる本ですが、これだけではやはりもの足りない。全体的な流れや、趣のある世界、ジワジワと個性ある女性達を知るにはやはり幾つもの「段」を読み進めてこそ味わえると思うのです。一長一短ありますが「はじめの一歩」や「興味を持つ」意味では読んで損はないと思います。特に女性向きかな。
何といっても、古典日記は本当に面白い。今まで躊躇されて来た方や、美味しい部分だけをつまみ食い…なんて方には、高倍速で古典日記が知れちゃうと思います。
ちなみに、目次の一部。こんな感じでとても古典という雰囲気はない(笑)
・枕草子…バッチリきめたつけ毛が崩れる恐怖
―オシャレにまつわる喜怒哀楽
・紫式部日記…宮中社会はまるで現代オフィス?
―上司や同僚とのつき合い方
・和泉式部日記…悲しみしみのなか出会い、ひかれ合うふたり
―亡き恋人の弟と急・接・近
・蜻蛉日記…男心は半年以上、ジラしてつかめ!?
―目指せセレブ妻!御曹司からの求婚
・更級日記…等身大仏に祈る幼少時代―物語にあこがれるオタク少女





