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*** 新しい本との出合いがきっとある★書評ブログ ****

【レビュー】ボヴァリー夫人 :フローベール / 姫野カオルコ

 

 

ボヴァリー夫人 :フローベール / 姫野カオルコ著のレビューです。

 

ボヴァリー夫人 フローベール

ボヴァリー夫人 フローベール

 

 

 

心身ともにナイロンのように燃え上がるボヴァリー夫人

 

 

「明日は舞踏会」で登場した「ボヴァリー夫人」。

どんな小説か気になっていたところ、
「文学の興味を30分で高める、現代作家がリトールドした傑作」

という本書を見つけた。

 

まさに30分もあれば読めてしまいます。絵本とも言えますが、
内容はどう考えても大人の読み物です。挿し絵もとても
色彩鮮やかでエロチック。

 

さて、このボヴァリー夫人ことエマは医者と結婚するが、
やがて、平凡な毎日に辟易とする。変化が欲しくて理想の人と
結婚したはずだったが…「ダサイ人・たいくつな人」と

夫のことを思い始めます。

 

そして、ある日、たまたま出かけた舞踏会を機に、転げ落ちるように
不倫に買い物依存症にと走り、心の穴を埋めようとしますが…。

 


最後にボヴァリー夫人が出た行動に、思わず「ジャヤジャーン」という
ピアノの効果音が流れてしまったほど衝撃的であった。

 

地味だけど、真面目で良い旦那さんなのにねぇ。
それだけじゃ満足しなかった彼女。そもそもの悲劇はそこから
始まっていたんですよね。

 

結末はともかく、現在でもこんな男女の悲劇はあちこちで
繰り広げられているはず。

 

エマの心身は、ナイロンになっていた。
離婚直後やフラれた直後、よく人の心身はナイロンになる。
発火しやすい。

 

 

ナイロンと火。なんと分りやすい例えなんでしょう。
失恋や離婚後、メラメラ燃えるが如く次の恋に突っ走っている
人居ますよね~。

 

さて、フローベールのボリュームある作品もその後読み比べてみました。
本書がいかにポイントを押さえて書かれているか…
ということが改めて判りました。

 

興味はあるけどじっくり読んでいる時間がない方、翻訳本は苦手…
なんて方には特におすすめです。

 

あ、そういえば、千昌夫の唄がまんま出てきた。
いきなりの登場で、しばし言葉が出ませんでした(笑)