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*** 新しい本との出合いがきっとある★書評ブログ ****

【レビュー】魔利のひとりごと:森 茉莉, 佐野 洋子

 

 

魔利のひとりごと:森 茉莉, 佐野 洋子著のレビューです。

 

魔利のひとりごと

魔利のひとりごと

 

 

森茉莉、結構パンチ効いています!

 

いやいやいや~森茉莉さん、濃厚です。
森茉莉さんの作品は初読みなのですが、

いつも古本屋でパラパラ見てはいて、たっぷり字が

詰まっているといった印象。なので、ちょっと腰が

引けていたのですが、本書は佐野洋子さんの挿し絵と

一緒のエッセイだったので、入りやすそう~ということで

読んでみました。

 

文体がまず慣れるまでにちょっと時間がかかりました。
改行なしで、バーと2ページくらい軽く書き綴っているので
とにかく息苦しい!息継ぎしないでプールを泳いでいる

気分です。

 

そして、お父様同様、横文字多し。
育った環境や親の影響力とは凄いものだと、

ひとしきり思いながら読み続けました。

 

というわけで、文体のことをあれこれ考えて

読んでいたら、後半にさしかかっていました。

そこからようやく落ち着いて内容が見えてきたのですが、

これがなかなか率直で辛辣。パンチが効いています。

 

ご本人も自ら語っていますが、大変フランスが好きで、
茉莉さんの描く世界は常にヨーロッパの風が流れている
雰囲気があります。

 

石鹸の話などは「森茉莉」の生活をよく表したもので、
一般庶民のお嬢さんとはやはり違うな…と感じずに

はいられません。

 

幼少時代の「沐浴」の話から奥さん批判の「奥さんとお内儀さん」

の話まで、時に子供の気持ちになり、時に大人として批判を

撒き散らす…そんな時間を行ったり来たりしながら、

森茉莉の世界へどっぷりと浸かる。

 

きっとまだまだ序の口であろう。
森茉莉の世界はもっともっと奥深く、いくつも引き出しが

ありそうな…そんな気配を感じます。

これからが、本当の幕開け。
もう少し彼女のことが知りたくなりました。

 

そうそう、佐野さんのイラストも素晴らしいのですが、
文章の方が明らかにインパクトが強かったです。