オークブリッジ邸の笑わない貴婦人:太田紫織著のレビューです。
読書ポイント☟
舞台は北海道の旭川。19世紀の英国のお屋敷を再現した屋敷に、メイドとして雇われることになった鈴佳。依頼した老婦人も風変り。建物だけでなく生活スタイルも当時と同じようにするという。老婦人はどうしてこのような生活をしているのか?
感想:「完璧なヴィクトリアンメイド」募集あり!
メイドものの読み物が好きで、ついつい手が伸びてしまう。ということで、表紙を見て即読むぞ―と決めた一冊(笑)
「完璧なヴィクトリアンメイド募集」
派遣家政婦の鈴佳のもとにこんな依頼がやって来た。ん?メイド喫茶?メイドのコスプレかなんか?と思いきや、依頼主は老婦人。しかも場所は北海道の旭川。
これはちょっと風変わりな設定です。老婦人の家は19世紀の英国のお屋敷を再現したもので、そこで鈴佳はメイドとして雇われることに。
お屋敷での仕事はまるまる19世紀のメイドそのものの世界。衣装はもちろん、メイド部屋から習慣、食生活等々、笑ってしまうくらい徹底的に当時の生活様式を再現している。鈴佳は名前までも「アイリーン」という西洋の名前で呼ばれることに。
現代人が当時の生活をするということは、それはそれは大変だということは想像通り。おまけにこの老婦人である奥さまが気難しい人で、数々の難問を与えて来るのです。
奥さまの孫である執事のユーリ、近所の農家のスミス夫人、料理人のウィスタリアと共に忙しいながらもやがてメイドとして奥さまに仕えることに喜びを覚える鈴佳だが・・・。
なぜ老婦人はこの生活を望んだのか?
やがて話はなぜこの老婦人がこのような生活を望んだのかということに焦点が当たる。この老婦人に隠された過去とは?
本家のヴィクトリアンメイドのように重々しい雰囲気でもなく、ライトな読み心地で楽しめる。大人の大掛かりな「メイドさんごっこ」のような世界。ドタバタと一波乱起きるけれど、さほど深刻にもならずサラッとサラッと読了。
続編が出るとか出ないとか?
読みたいかと言うと・・・それはちょっと微妙なんだなぁ。読んだそばからスルスルと消化しちゃうような感覚なので、もう少しなにか奥行きがあると良いのだけれども・・・。重い小説を読んでいてちょっと疲れた~って時に開く本として丁度いい感じだったかな~と。
やはり続編はどんどん出ているようです!