昭和、家族の見識 日本人が覚えておきたい10のこと:新井えり
思わず頷いたり、深い意味を知り感心したり。温故知新!
昔は躾が厳しかったなど、簡単に語られてしまうことが多い現在。
では、なんで厳しかったのか、親の思惑は?など意外に知らない。
そんな深い部分を様々な著名人の話を含めながら教えてくれる一冊です。例えば「気遣い」について。
伯母さま、お元気ですか?」という文末に返事を求める「か」をつけるのはよろしくない。「伯母さま、お元気のことと存じます」と認める(したためる)よう、祖母など家にいる老人が、子供に教えるのである。
これは忙しい年長者に返事の義務を負わせないための工夫。
最近ではメールの返事を相手からもらえるよう「か」をつけるというテクニック的な話を聞いたことがありますが、良し悪しは別として、ほんの数十年でこんなにも変化したんですね。
昭和の家族といえばサザエさん。作者は「このサザエさん一家は、この本のテーマが一つも欠けることなく、揃って存在している」と言っています。昭和の暮らしを守り続けているこの一家。
いつ見てもホッとする安心感は、この時代ならではのものがありますよね。どんどん昔の話など忘れ去られ、語り継がれることも少なくなって来た今。こういう形で、どんどん残して行くことこそが必要だと強く感じ、吸収すべき点もたくさんあった1冊でした。