よるのかえりみち:みやこしあきこ著のレビューです。
あの灯りの向こうには。
ふゆの夜、
電車から家窓のオレンジ色の灯りを見ると
なんだかとっても安心する。
あそこのうちも、こちらのうちも、一日を終え、
美味しい匂いが漂い出す時間。
「わたしも早く帰って、あったかい部屋でぬくぬくしたい!」
と、家路を急ぐのである。
そんな情景がすきな人にぴったりの絵本。
だれもいない静かな街を、
遊び疲れてお母さんに抱っこされているうさぎの坊や。
さまざまなうちの窓から見える、さまざまな夜。
ただそれだけが描かれている絵本なのだけれど、
ひとつひとつの窓に灯りが燈ってゆくような、
そんな安らぎが感じられる雰囲気がとてもよいのです。
とにかく、絵が素敵!!
家に帰って眠っている坊やの寝姿といったら!
日本人の作家さんですが、洋書のような雰囲気です。
戦闘モードの朝に読むより、夜に読むのがお薦め!
もう今日はなにもすることがない・・・という一日の終わりに、
パジャマになって坊やと一緒に心地よい眠りに・・・。