TOKYO初夜ものがたり:梯久美子著のレビューです。
成功者たちのはじめの一歩・東京
著名人11人の上京した初めての夜、どう過ごしたかをインタビューし、集めたものです。
ボンカレー温めて、包丁でピッと袋を切ったのが、生まれて初めての「自炊」です。
これは鴻上尚史さんの言葉ですが、本当に上手く表現されているなぁーと、思わず唸ってしまいました。
上京の話がメインのはずですが、人によっては話がどんどん広がって行き、ちょっとした人生日記のような雰囲気もありましたがそれはそれで面白いです。 インタビューされた人々のいた時代背景なども良く出ています。
意外な共通点が見えてくる
東京に出てきての成功者。読んでいてこれらの人達には共通点が多いことに気付く。
・切り替えが早い
・自分の状況に応じて人間関係を変えていく
・楽天的
・強い思い入れがさほどない
・時の流れに上手く乗って行く
このような人達が、ある日、花開くといった感じでしょうか。
どんなに昔のことでも初めての夜のことは、みなさん意外にもしっかり覚えているものなのですね。ちなみに私はリリー・フランキーさんの話が一番面白かったです。何度か噴き出しました。
この装丁…私のツボです。もう何度も眺めてしまいました。東京といえば、やはり私の好きな風景はこれです!飛行機の窓から見る着陸寸前のこの風景。「あー戻って来た」と、嬉しくなる一時です。
上京する人、またはこれから新しい土地で頑張る人にもお勧めです。
【登場する人々】
リリー・フランキー、鴻上尚史、佐々木常夫、みうらじゅん、小山薫堂
速水奨、梅図かずお、しりあがり寿、中村うさぎ、楊逸、ゆでたまご