算法少女:遠藤寛子著のレビューです。
感想文・あらすじ 和算の書物「算法少女」にもとづいた小説とは?
うわぁ~~~算数の「算」の字を見るのも辛いほど算数嫌いなんですけど、この表紙の少女が可愛くてついうっかり借りてしまったのです。ライトな小説かと思いきや、江戸時代に出版された和算の書物「算法少女」にもとづいた小説だとか。
ガシガシに計算問題とか出てくるかと身構えていたのですが、どちらかと言うと、人間模様を描いた作品で、非常に読みやすい。
町娘あき。
彼女は13歳にして、大人顔負けの算法の知識を持つ少女。父から教わり、何よりも算法の勉強が好きな彼女はある日浅草にお参りに出かけた。そこで「算額」という数学の問題と答えの書かれた絵馬を見て、その誤りに気付き指摘する。
やがて、あきの評判を耳にした久留米藩主有馬頼僮は、姫君の算法指南役にと声をかけるのだが、流派のぶつかり合いなど面倒なことが多い。あきは近所の子供たちに教えているほうに生き甲斐を感じ、そちらの方面へ邁進する。
この時代に算法を学びたかったなぁ~
円周率とか九九とか、いやぁ~いつからあったのかなんて考えもしなかったけれど、流派のいざこざを乗り越えて、コツコツとこういった教育を続けてきて、私たちの元へやって来たのだなぁ・・・と、嫌いな学問のわりには、感慨深い思いに浸った。
この少女の話をもっと早く知っていれば、算数もっとがんばったのに・・・はい、七の段、もっとスラッスラッ言えるようにがんばりやす!←志、低い^^;
それにしても、江戸時代の人々ってすごくひたむきにかつ、アクティブに生活を謳歌していますね。この時代の作品を読むたびに、清々しい気分になれる。タイムスリップして当時の威勢の良い人々に一度会ってみたいものだわ~。
作者について
1931年、三重県生まれ。三重大学を経て法政大学文学部史学科卒業。三重県下の中学校および都立の養護学校で教職についたのち、創作・評論活動に専念。おもな創作に、1969年、第1回北川千代賞を受賞した『深い雪の中で』(講談社)、1974年にサンケイ児童出版文化賞を受賞した『算法少女』(岩崎書店。ちくま学芸文庫に収録)などがある(Amazonより)
「算法少女」は小説だけでなく、漫画やアニメーション映画などでも紹介されているんだね。
コミック・マンガ