モダン:原田マハ著のレビューです。
ニューヨーク近代美術館 MoMA
世界的に有名なMoMAニューヨーク近代美術館を舞台にした
5つの短編集。
サラッと読めちゃうのですが、どれもじんわり来る読後感は
全作共通。
マハさんを読んでいる方なら、この読み心地はもう慣れっこだとは
思いますが(笑)
美術館に関わる人々。
国籍も年齢も様々だし、部署によって仕事内容も多岐にわたる。
作品を守るという意味では美術館職員全員そうであるわけだが、
今回は監視員という立場の男性に焦点を合わせた作品もあり、
興味深く拝見。
閉館時間間際にピカソの絵の前でたたずむひとりの青年。
監視員がその青年の正体を知った時・・・。
─────『ロックフェラー・ギャラリーの幽霊』
工業デザイナーのジュリアと初代館長との思い出話もとても良い。
二人の出逢いから別れまで・・・短い話の中にも、
静かに時間が流れ、切なくも心温まる内容。
ちょっとした映画を見た気分にさせられる。
そして、スティーブ・ジョブズも登場!ワクワクするラストです。
わたしはこの作品が一番好きだな。
─────『私の好きなマシン』
そのほか、東日本大震災、NYの同時多発テロの中で、
動いていた職員たちと関わりをもつ人々との交流。
どれもじんわりとした余韻を残す作品だ。
さて、ティム・ブラウンという名前が登場するのですが、
あのティムですよね!?
旧友に再会したような・・・またまた楽しい気分に!
読者にもHappy To See You.が訪れるなんて、
これまたニクイ演出だ!