女たちの避難所:垣谷美雨著のレビューです。
そんなこともあるのか?と・・・
近い将来、自分の住む地域でも大地震は必ず起きると言われています。困らないように備えをしておこうと、3,11後はあれこれ必要そうなものをまとめたりしていましたが、最近、またそういった意識がすっかり薄れ気味。
それに、たとえ物の備えはできても、いざ、避難所生活になった場合の心得や実際起こる問題など、何一つ解っていないのが私の実情だ。
そういう意味で、この本から見えてくる様々な問題は、今までメディアで伝えられて来なかった部分も触れられていて参考にはなった。
たとえば、本書では夫を亡くした女性が、夜中にトイレへ行くときにレイプに遭いそうになった話が登場する。そんなことが・・・実際あったのだろうか?避難所では性的被害に遭った時に飲む緊急避妊ピルを配布するという。
これは読み終わってからネットで少し調べてみたところ、本当にこのようなことに対する支援活動はあったようです。
「家族の絆」とは程遠い家族も
本作は女性目線で描かれているのと、会話ベースで話が進むので、その時々の問題点や個人の心情が自然に頭のなかに入って来る。夫と離婚できずにいた福子。夫を失い、舅と義兄といる授乳中の遠乃。学校でいじめられている息子がいるシングルマザーの渚。
いろんな人がいる。いろんな家族がいる。「絆」を求められ、段ボールのしきりさえない生活。物質的な問題から精神的な苦痛へと徐々に移っていく様子が生々しい。
ただ、遠乃の舅と義兄とか、働かない福子の夫とか、登場する男性たちの言動があまりにも酷い。男性本位の振る舞いにムカムカが収まらないまま読了した。
「家族の絆」がクローズアップされてきた中、絆とはほど遠い家族も大なり小なり事実としていたのであろう。理不尽なことが限りなくたくさんあったけれど、こういうケースも避難所では起こり得るのだ・・・ということを知っておくのもまた、ひとつの災害へ対する心の備えのひとつになるのだと思った。





